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2.13.1.2 【E20】の場合

設定は,プロパティ パネル[デバッグ・ツール設定]タブ上の[トレース]カテゴリ内で行います。

図 2.125

[トレース]カテゴリ【E20】

(1)

[トレース機能の用途]

トレース機能/リアルタイムRAMモニタ機能(RRM機能)は一部排他使用の機能です。このため,このプロパティで,どちらの機能を優先的に使用するかを指定します。ここでは,次のドロップダウン・リストより,[トレース]を選択してください。

トレース

トレース機能を優先的に使用します(デフォルト)。

-

リアルタイムRAMモニタ機能

使用不可となります。

リアルタイムRAMモニタ注1

リアルタイムRAMモニタ機能(RRM)を優先的に使用します。

-

トレース機能
制限付きの使用となります。注2
また,トレース関連のイベントが無効状態となります。

注 1.

【E20(Serial)】

リアルタイムRAMモニタ機能はサポートしていません。そのため,このプロパティ値には[リアルタイムRAMモニタ]を指定しないでください。

注 2.

【E20(JTAG)【RX600, RX700シリーズ】】

トレース機能の一部が使用できなくなります。

制限事項は次のとおりです。

トレース・メモリを使い切った後の動作

[トレースを停止する],[停止する]は使用不可

[トレース・メモリを上書きし実行を続ける]のみ使用可

トレース・データ種別

[分岐],[分岐+データアクセス]は使用不可

[データアクセス]のみ使用可

外部トレース出力

[外部出力しない]は使用不可

[CPU実行優先],[トレース出力優先]は使用可

トレース・メモリ・サイズ[Mバイト]

1Mバイトのみ使用可

(2)

[トレース・メモリを使い切った後の動作]

収集したトレース・データでトレース・メモリがいっぱいになった際の動作を,次のドロップダウン・リストにより指定します。

トレース・メモリを上書きし実行を続ける

トレース・メモリがいっぱいになると,古いトレース・データに上書きを続けます(デフォルト)。

トレースを停止する

トレース・メモリがいっぱいになると,トレース・データの書き込みを停止します(プログラムの実行は停止しません)。

停止する

トレース・メモリがいっぱいになると,トレース・データの書き込みを停止すると同時にプログラムの実行を停止します。

(3)

[トレース・データ種別]

このプロパティは,[トレース機能の用途]プロパティで[トレース]を選択している場合のみ表示されます。

収集するトレース・データの種別を次のドロップダウン・リストにより指定します。

分岐

プログラム実行中に発生した分岐処理の分岐元,分岐先アドレス情報をトレース・データとして収集します。

分岐+データアクセス注1

プログラム実行中に発生した分岐元,分岐先アドレス情報および成立したアクセス・イベントのデータ情報をトレース・データとして収集します。

データアクセス注2

プログラム実行中に成立したアクセス・イベントのデータ情報をトレース・データとして収集します。

分岐+データアクセス(アクセス・データなし)注3

プログラム実行中に発生した分岐元,分岐先アドレス情報および成立したアクセス・イベントのデータ情報をトレース・データとして収集します。

ただし,アクセス・データは収集しません。

データアクセス(アクセス・データなし)注3

プログラム実行中に成立したアクセス・イベントのデータ情報をトレース・データとして収集します。

ただし,アクセス・データは収集しません。

注 1.

【E20(Serial)【RX100, RX200シリーズ】】

[分岐+データアクセス]のトレース・データを収集することはできません。そのためドロップダウン・リストには表示されません。

注 2.

【E20(Serial)【RX100, RX200シリーズ】】

[データアクセス]のトレース・データを収集するには,ポイント・トレースにてアドレス条件を設定する必要があります。ポイント・トレースの詳細については,「2.13.4 条件を満たしたときのみの実行履歴を収集する」を参照してください。

注 3.

RX66x, RX65N-2M, RX651-2M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループのみ使用可能です。

(4)

[アクセス・データを取得しない領域の開始アドレス]【RX65N-2M, RX651-2M, RX66x, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】

アクセス・データを取得しない領域の開始アドレスを指定します。

(5)

[アクセス・データを取得しない領域の終了アドレス]【RX65N-2M, RX651-2M, RX66x, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】

アクセス・データを取得しない領域の終了アドレスを指定します。

(6)

[データアクセスのバス・マスタ]【RX71M, RX66x, RX65x, RX64M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】

このプロパティは,[トレース・データ種別]プロパティにおいて[分岐+データアクセス]または[データアクセス]を指定した場合にのみ表示されます。

データアクセスのバス・マスタをドロップダウン・リストより指定します。

ドロップダウン・リストには,次のバス・マスタが表示されます。

CPU

CPUからのデータアクセス結果を,トレースパネルに出力します。

DMAC/DTC

DMAC/DTCからのデータアクセス結果を,トレースパネルに出力します。

データアクセスのトレース結果については,指定したバス・マスタからのトレース結果のみをトレースパネルに出力します。

注意 1.

プログラム実行中にこのプロパティを変更することはできません。

注意 2.

データアクセスのバス・マスタ選択機能が無いマイクロコントローラの場合は,[データアクセスのバス・マスタ]【RX71M, RX66x, RX65x, RX64M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】プロパティは表示されません。その場合,バス・マスタは[CPU]固定となります。

(7)

[外部トレース出力]【E20(JTAG)】

収集するトレース・データの外部出力方法を次のドロップダウン・リストにより指定します。

CPU実行優先

トレース出力よりCPU実行を優先します。

出力されるトレース情報にロストが発生する場合があります。

トレース出力優先

CPU実行よりトレース出力を優先します。

トレース出力のためにCPU実行が停止するため,リアルタイム性が損なわれます。

外部出力しない

トレース情報は出力されません。

マイクロコントローラの内蔵バッファのみを使用します。

注意 1.

[トレース機能の用途]プロパティにおいて,[リアルタイムRAMモニタ]が指定された場合,ドロップダウンリストより[外部出力しない]は指定できません。

注意 2.

[CPU実行優先]または[トレース出力優先]を指定した場合,トレース パネルにトレース・データが表示された状態でステップ・イン実行すると正しいトレース・データが表示されない場合があります。

注意 3.

【RX71M, RX66x, RX65x, RX64M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】
[外部出力しない]から[CPU実行優先],または[トレース出力優先]に変更した場合,タイマ計測結果が初期化されます。

(8)

[トレース・メモリ・サイズ[Mバイト]]【E20(JTAG)】

トレース・データを保持するメモリサイズを次のドロップダウン・リストにより指定します。

-

1(デフォルト), 2, 4, 8, 16, 32

(9)

[タイム・スタンプ出力]

このプロパティは,収集するトレース・データにタイム・スタンプ情報を付加するか否かを指定します。タイム・スタンプを出力する場合,[はい]を指定してください。

注意 1.

【E20(Serial)【RX200シリーズ】】
[トレース・データ種別]プロパティにおいて[分岐]を指定した場合は,タイム・スタンプを出力することができません。出力する場合は,[データアクセス]を指定してください。

注意 2.

【E20【RX100シリーズ】】
このプロパティの項目を[いいえ]から変更することはできず,タイム・スタンプを出力することができません。

(10)

[トレース・クロック・カウント・ソース[MHz]]

タイム・スタンプのカウント・ソースを0.0001 - 999.999の間で入力してください。

なお,プロパティが空欄の場合,[接続用設定]タブ[クロック]カテゴリ内の[動作周波数[MHz]]プロパティの設定値がカウント・ソースとして代用されます。

(11)

[トレース・クロック・カウント・ソースの分周比]【RX71M, RX66x, RX65x, RX64M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】

このプロパティは,[タイム・スタンプ出力]プロパティにおいて[はい]を指定した場合にのみ表示されます。

タイム・スタンプのカウント・ソースの分周比をドロップダウン・リストより指定します。

ドロップダウン・リストには,次の分周比が表示されます。

分周なし

タイム・スタンプ用カウント・ソースの周波数をそのままの値で使用する。

16分周

タイム・スタンプ用カウント・ソースの周波数を1/16倍に変換して使用する。

256分周

タイム・スタンプ用カウント・ソースの周波数を1/256倍に変換して使用する。

4096分周

タイム・スタンプ用カウント・ソースの周波数を1/4096倍に変換して使用する。

[トレース・クロック・カウント・ソース[MHz]]プロパティで指定した周波数をさらに指定した値で分周(周波数を1/n倍に変換)した値が実際のタイム・スタンプの単位(1カウントあたりの周波数)になります。

注意 1.

プログラム実行中にこのプロパティを変更することはできません。

注意 2.

トレースのタイム・スタンプ分周機能が無いマイクロコントローラの場合は,[トレース・クロック・カウント・ソースの分周比]【RX71M, RX66x, RX65x, RX64M, RX671, RX72T, RX72M, RX72Nグループ】プロパティは表示されません。その場合,[分周なし]固定となります。