6.2 特殊シンボル

リンクの処理において,各出力セクションの先頭アドレス,各出力セクションの終端を越える最初のアドレス値を値として持つ予約シンボルを生成します。ユーザがこれらの予約シンボルと同名のシンボルを定義した場合,最適化リンカは定義されたシンボルを用い,独自に生成することはしません。

セクションの先頭アドレス値を値として持つ予約シンボルとしては,その出力セクションの名前の頭に“__s”を付けることによって構成される名前のシンボルが用いられます。

セクションの終端を越える最初のアドレス値を値として持つ予約シンボルとしては,その出力セクションの名前の頭に“__e”を付けることによって構成される名前のシンボルが用いられます。

以下に,予約されているセクションと,そのセクションに対する特殊シンボルを示します。

表 6.1

予約セクションに対する特殊シンボル

予約セクション

予約セクションに対する特殊シンボル

.text

__s.text,__e.text

.bss

__s.bss,__e.bss

.zbss

__s.zbss,__e.zbss

.zbss23

__s.zbss23,__e.zbss23

.ebss

__s.ebss,__e.ebss

.ebss23

__s.ebss23,__e.ebss23

.tbss4

__s.tbss4,__e.tbss4

.tbss5

__s.tbss5,__e.tbss5

.tbss7

__s.tbss7,__e.tbss7

.tbss8

__s.tbss8,__e.tbss8

.sbss

__s.sbss,__e.sbss

.sbss23

__s.sbss23,__e.sbss23

.data

__s.data,__e.data

.zdata

__s.zdata,__e.zdata

.zdata23

__s.zdata23,__e.zdata23

.edata

__s.edata,__e.edata

.edata23

__s.edata23,__e.edata23

.tdata

__s.tdata,__e.tdata

.tdata4

__s.tdata4,__e.tdata4

.tdata5

__s.tdata5,__e.tdata5

.tdata7

__s.tdata7,__e.tdata7

.tdata8

__s.tdata8,__e.tdata8

.sdata

__s.sdata,__e.sdata

.sdata23

__s.sdata23,__e.sdata23

.const

__s.const,__e.const

.zconst

__s.zconst,__e.zconst

.zconst23

__s.zconst23,__e.zconst23

注意

生成するシンボルは,表のうち,リンク処理後の実行形式ファイルにセクションが存在するもののみとなります。