2.4.2 サブコマンド・ファイルの使用方法

サブコマンド・ファイルとは,ccrl,asrl,rlinkコマンドに対して指定するオプションやファイル名を記述したファイルです。

コマンドは,サブコマンド・ファイルの内容をコマンド・ラインの引数のように扱います。

サブコマンド・ファイルは,コマンド・ラインで引数を指定しきれない場合や,コマンドを実行するたびに同じオプションを繰り返し指定するような場合に使用します。

(1)

コンパイラ,アセンブラでサブコマンド・ファイルを使用する場合

(a)

サブコマンド・ファイルの記述に関する注意事項

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指定する引数は,複数行に分けて記述することができます。
ただし,オプション指定やファイル名の途中で改行することはできません。

-

サブコマンド・ファイル内でサブコマンド・オプションを指定することはできません。

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サブコマンド・ファイルの文字コードは,-character_setオプションで指定することはできません。
サブコマンド・ファイル中にASCII文字以外を使用する場合は,BOM付きUTF-8,またはSJISのファイルにしてください。

-

以下の文字は,特殊文字として扱います。
サブコマンド・ファイル中に記載された特殊文字は,ccrlコマンドに与える引数文字列から削除して,ccrlコマンドを実行します。

"(ダブルクォーテーション)

次のダブルクォーテーションまでの文字列を連続した文字列として扱います。

#(シャープ)

行頭に指定した場合は,行末までをコメントとして扱います。

^(ハット)

直後の文字を特殊文字として扱いません。

(b)

サブコマンド・ファイルの指定例

サブコマンド・ファイルsub.txtをエディタで作成します。

-cpu=S2
-dev=dr5f100pj.dvf
-c
-D test
-I dir
-Osize

 

コマンド・ラインにおいて,サブコマンド・ファイル指定オプション-subccomandによりsub.txtを指定します。

>ccrl -subccomand=sub.txt -ofile.obj file.c

 

コマンド・ラインは以下のように展開されます。

>ccrl -cpu=S2 -dev=dr5f100pj.dvf -c -D test -I dir -Osize -ofile.obj file.c

(2)

最適化リンカでサブコマンド・ファイルを使用する場合

(a)

サブコマンド・ファイルの記述に関する注意事項

-

オプションは,先頭のハイフン(-)を省略して指定することができます。

-

オプションとパラメータの区切りは,“=”の代わりに空白を使用することも可能です。

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1つのファイル名,およびパス名として,"(ダブルクォーテーション)で囲んで記述することができます。

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サブコマンド・ファイルは,システム・ロケールの文字コードで記述してください。

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1行につき1つのオプションを指定します。
1行に記述できない場合は,“&”を使用して複数行に記述することができます。

-

サブコマンド・ファイル内に-subcommandオプションを指定することはできません。

-

以下の文字は,特殊文字として扱います。
これらの特殊文字自体は,rlinkコマンドへのコマンド・ラインの中に含まずに削除します。

&(アンド)

次の行を継続行として扱います。

;(セミコロン)

行末までをコメントとして扱います。

(b)

サブコマンド・ファイルの指定例

サブコマンド・ファイルsub.txtをエディタで作成します。

input file2.obj file3.obj       ;ここはコメントです。
library lib1.lib, &             ;“&”は継続行を示します。
lib2.lib

 

コマンド・ラインにおいて,サブコマンド・ファイル指定オプション-subcommandによりsub.txtを指定します。

>rlink file1.obj -subcommand=sub.txt file4.obj

 

コマンド・ラインは以下のように展開されます。

>rlink file1.obj file2.obj file3.obj -library=lib1.lib,lib2.lib file4.obj