2.5.2 応用的なダウンロード方法

ダウンロードの対象となるファイル,およびその際のダウンロード条件は変更することができます。

CS+では,次のファイル形式をダウンロードすることができます。

表 2.2

ダウンロード可能なファイル形式

ファイル形式

拡張子

備考

ロード・モジュール・フォーマット

abs

 

拡張子【IAR】

デバッグ専用プロジェクトのみ

インテル・ヘキサ・フォーマット

-

標準(オフセットアドレス)

-

02(セグメントアドレスレコード)

-

04(拡張リニアアドレスコード)

hex

03(スタートセグメントアドレスレコード),05(スタートリニアアドレスレコード)は無視します。

モトローラSフォーマット

-

(S0, S1, S9-16ビット)

-

(S0, S2, S8-24ビット)

-

(S0, S3, S7-32ビット)

mot

 

バイナリ・データ・フォーマット

bin

 

IARコンパイラ(スウェーデン IARシステムズ株式会社製)使用上の注意点

-

対応バージョン

-

IAR Embedded Workbench for Renesas(Ver.2.30.1以上)

-

対応オプション

-

一般オプション:

バイトオーダ:リトルエンディアン/ビッグエンディアン

double型のサイズ:32ビット/64ビット

int型のサイズ:16/32ビット

非正規化数:ゼロとして扱う

データモデル:遠く

Position-independence:OFF

-

C/C++コンパイラ:

言語:C ※C++言語,およびGNU C拡張仕様はサポートしていません

Cの派生言語:C89/C99

(LVAの許可…OFF,C++ inline semantic…OFF)

CHARの型:符号付き/符号なし

最適化:なし/低

出力:デバッグ情報の生成…ON

-

アセンブラ:

言語:ユーザシンボルの大文字/小文字を区別…ON

出力:デバッグ情報の生成…ON

-

リンカ:

出力:出力ファイルにデバッグ情報を含める…ON

-

デバッグ上の注意点

-

ウォッチ パネルなどでファイル内スタティック変数が参照できません。関数内に定義したスタティック変数は参照可能です。

-

コール・スタック パネルに表示可能な関数はカレントのみです。

-

定義した変数が複数のレジスタで構成される場合,対象の変数の値が正しく表示できません。

例1:long long data = 0x123456789abcdef0

//変数“data”がR7とR8レジスタに割りついた場合

例2:struct aaa { char a; short b; long c; char d;};

struct aaa sA = { ‘S’, 0x4154, 0x4E455452, ‘D’};

// 変数“sA”がR6,R7とR8のレジスタに割りついた場合

-

コンパイラの最適化により変数が削除された時は,対象の変数はデバッガで参照できません。

-

コンパイラの最適化により変数が一時的にレジスタ上に割り当てられた時は,ウォッチ パネルなどで変数の値が正しく表示できない場合があります。

 

ダウンロード・ファイルの変更,およびその際のダウンロード条件の設定は,次のダウンロード・ファイル ダイアログにより行います。

ダウンロード・ファイル ダイアログは,プロパティ パネル[ダウンロード・ファイル設定]タブ上の[ダウンロード]カテゴリ内[ダウンロードするファイル]プロパティを選択することで欄内右端に表示される[...]ボタンをクリックするとオープンします。

図 2.79

ダウンロード・ファイル ダイアログのオープン

図 2.80

応用的なダウンロード方法(ダウンロード・ファイル ダイアログ)

 

ここでは,上記ダウンロード・ファイル ダイアログにおける,次の場合の設定方法を説明します。

 

2.5.2.1 ロード・モジュール・ファイルのダウンロード条件を変更する

2.5.2.2 ダウンロード・ファイル(*.hex/*.mot/*.bin)を追加する

2.5.2.3 複数のロード・モジュール・ファイルをダウンロードする

2.5.2.4 ヘキサ・フォーマット/モトローラSフォーマット/バイナリ・データ・フォーマットのファイルでソース・レベル・デバッグを行う

2.5.2.5 外部フラッシュ・メモリへダウンロードする【E1】【E20】