シリアル ウインドウ


CPUに搭載されているシリアル・インタフェースと通信を行います。

このウインドウはCPUの他局側のシリアル・インタフェースとして動作するため,CPUからの送信データがこのウインドウでの受信データに,このウインドウからの送信データがCPUでの受信データになります。

このウインドウでは,次の2種類のファイルを扱うことができます。

ウインドウ上部エリアで表示された送受信データは,[ファイル]メニュー→[上書き保存]/[名前を付けて保存...]の選択により,シリアル・ログデータ・ファイル(*.log)(CSV形式)として保存することができます。

また,ウインドウ下部エリアで作成した送信データは,[保存]ボタンによりシリアル送信データ・ファイル(*.ser)(CSV形式)として保存することができます([読み込み]ボタンにより復元可能)。

なお,作成したデータの保存/復元はプロジェクト・ファイルの保存/ロードでも行うことができますが,この場合,送信データはCSV形式のテキスト・ファイルとして保存されず,プロジェクト・ファイル内に保存されます。

注意 1.

保存したシリアル送信データ・ファイルをオープンする際,またはプロジェクト・ファイルをオープンする際に,シリアル送信データ・ファイルを作成した時点のマイクロコントローラとは異なるマイクロコントローラでシミュレータGUIが起動されていた場合,そのマイクロコントローラに存在しないシリアルの設定は復元されません。

注意 2.

このウインドウは複数オープン可能です。ウインドウのオープン後に,シリアル選択エリアで検証したいシリアル・インタフェースを選択してください。

図 A.98

シリアル ウインドウ

 

ここでは,次の項目について説明します。

[オープン方法]

-

ボタンをクリック

-

[シミュレータ]メニュー→[シリアル]を選択

[各エリアの説明]

(1)

シリアル選択エリア

通信するシリアル・インタフェースを選択します。

 

搭載されているシリアル・インタフェースの一覧(ドロップダウン・リスト)から通信するシリアル・インタフェースを選択します

 

シリアル・インタフェースの一覧からIICAを選択した場合,転送モード(マスタ,スレーブ)を選択します。

 

シリアル・エディタ・エリアの[Wait]に使用される時間情報の単位をドロップダウン・リストから選択します。

なお,時間情報の単位は[編集]メニュー→[時間単位]からも変更できます。

一度選択すると,変更することはできません。
変更する場合は,新たなシリアル ウインドウをオープンしてください。

(2)

ログ表示エリア

送受信データを表示します。

表示タイミングは,データを構成する全ビットの受信,または送信が完了した時点です。

このエリアには,スタート・ビット,ストップ・ビット,およびパリティ・ビットを削除したデータのみが表示されます。

データの表示方法は,[表示]メニュー→[数値表現]→[2進表示]/[16進表示]の選択により変更することができます。

なお,デバッガ,またはシミュレータのリセット発生によりログ表示はクリアされます。

Time

前データの送受信終了から今回の送受信終了までの時間を表示します。

時間情報の単位は,[編集]メニュー→[時間単位]により選択した単位となります。

Send Data

このウインドウが送信したデータ(CPU側が受信したデータ)を表示します。

Receive Data

このウインドウが受信したデータ(CPU側が送信したデータ)を表示します。

Status

データ受信時の状態を表示します。

エラーが発生時には次のマークを表示します。正常時は何も表示しません。

P

パリティ・エラー(パリティ・ビットの不一致)

F

フレーミング・エラー(ストップ・ビットが検出されない)

(3)

シリアル・エディタ・エリア

送信データを作成するエリアです。

このエリアは,[表示]メニュー→[シリアル・エディタ]により表示/非表示の選択が可能です。

No.

先頭からシーケンシャルに付けられている行番号です。直接書き込みはできません。

最大9999行まで設定可能です。

Wait

ひとつ前のデータ送信または受信完了から次のデータを送信または受信開始するまでの間の時間を指定します。[自動送信]ボタンでの送信時,および[自動受信]ボタンでの受信時に有効です。

時間情報の単位は,[編集]メニュー→[時間単位]により選択した単位となります。

Wait値の入力は,編集を行うWait欄にカーソルを置きダブルクリックすることにより行います。

1回の操作で1つ分のWait値の書き込みが可能です。

Data

送信データを編集するエリアです。

Data欄にカーソルを置きダブルクリックすることにより,直接書き込み可能です。

先頭に“0x”と付与すると16進数として,“0b”を付与すると2進数として扱われます。デフォルト進数は16進数です。

フォーマット(UART) ダイアログ,またはフォーマット(CSI) ダイアログで設定したビット長と異なるビット長を指定した場合,下位ビットからのデータが有効になります。

1回の操作で1つ分のデータ書き込みが可能です。

ボタン

フォーマット

フォーマット(UART) ダイアログフォーマット(CSI) ダイアログ,またはフォーマット(IIC) ダイアログをオープンします。

全てクリア

シリアル・エディタ・エリアをすべて空白にします。

読み込み

以前に保存したシリアル送信データ・ファイル(*.ser)の内容を読み込み,シリアル・エディタ・エリアに再現します。

ただし,UART用として作成されたファイルをCSI用として読み込むことはできません。また,CSI用として作成されたファイルをUART用として読み込むこともできません。

保存

シリアル・エディタ・エリアで設定した送信データの内容を指定したシリアル送信データ・ファイル(*.ser)に保存します。

送信

シリアル・エディタ・エリアで選択されているデータを1つ送信します。

送信の完了により次のデータが選択状態になります。

データが選択されてない場合,先頭のデータを送信します。

自動送信

シリアル・エディタ・エリアで選択されているデータを先頭にし,下方向にデータを自動送信します。データ送信の時間間隔はWaitに指定した時間となります。

受信

このウインドウをIICAの受信側として使用する場合に,[送信]ボタンが[受信]ボタンに切り替わります。

ウエイト状態を解除し,データの受信を開始します。

自動受信

このウインドウをIICAの受信側として使用する場合に,[自動送信]ボタンが[自動受信]ボタンに切り替わります。

シリアル・エディタ・エリアで指定した時間間隔でウエイト状態を解除し,データを自動受信します。データ受信の時間間隔はWaitに指定した時間となります。

スタート

このボタンは,シリアル選択エリアのシリアル・インタフェース一覧からIICAを選択し,転送モードをマスタにした場合に表示されます。

シリアル転送を開始するスタート・コンディションを生成します。

停止

このボタンは,シリアル選択エリアのシリアル・インタフェース一覧からIICAを選択し,転送モードをマスタにした場合に表示されます。

シリアル転送を終了するストップ・コンディションを生成します。

アドレスを送信

このボタンは,シリアル選択エリアのシリアル・インタフェース一覧からIICAを選択し,転送モードをマスタにした場合に表示されます。

通信するスレーブ側のアドレスを送信します。

注意

このエリア内にカーソルがある場合,[F1]キーを押下してもこのウインドウのヘルプは表示されません。

備考

このウインドウのCSIをマスタ・モードとして設定する場合,受信時にクロックが必要になるため,受信動作を行うためにダミー・データを送信する必要があります。

[専用メニュー(シリアル ウインドウ)]

(1)

[編集]メニュー

挿入

選択行の直前に新しい行を挿入します。

切り取り

選択範囲を切り取りクリップボードに保存します。

コピー

選択範囲をコピーしクリップボードに保存します。

貼り付け

クリップボードの内容を選択位置に貼り付けます。

削除

選択範囲を削除します。

時間単位

時間の単位を選択します。

 

メインクロック

ウエイト時間の単位をメイン・クロックとします(デフォルト)。

マイクロ秒

ウエイト時間の単位をマイクロ秒とします。

ミリ秒

ウエイト時間の単位をミリ秒とします。

フォーマット設定...

フォーマット(UART) ダイアログフォーマット(CSI) ダイアログ,またはフォーマット(IIC) ダイアログをオープンします。

(2)

[表示]メニュー

シリアル・エディタ

シリアル・エディタ・エリアの表示/非表示を切り替えます。

数値表現

ログ表示エリアの表示方法を変更します。

 

2進数表示

2進数表示します。

16進数表示

16進数表示します。

(3)

[オプション]メニュー

ウインドウのカスタマイズ...

書式設定 ダイアログをオープンします。

[コンテキスト・メニュー]

シリアル・エディタ・エリアにおいて,次に示すコンテキスト・メニューを表示します。

挿入

選択行の直前に新しい行を挿入します。

切り取り

選択範囲を切り取りクリップボードに保存します。

コピー

選択範囲をコピーしクリップボードに保存します。

貼り付け

クリップボードの内容を選択位置に貼り付けます。

削除

選択範囲を削除します。