この節では,選択しているマイクロコントローラがマルチコア対応版の場合における,デバッグ対象となるコア(PE:プロセッサ・エレメント)の選択方法について説明します。
CS+では,デバッグ対象とするコア(PE)の選択を切り替えることにより(「2.8.1 コア(PE)を切り替える」参照),PEごとの情報を表示します(PEごとに複数のパネルの表示は行いません)。
なお,マルチコア対応版を対象としたCS+の各機能の振る舞いは次のとおりです。
プロパティ パネルの[デバッグ・ツール設定]タブ上の[マルチコア]カテゴリ内の[デバッグ・モード]プロパティにおいて選択したモードによって制御が異なります。
全PE において,原則として同期実行/同期ブレークを行います。
ステップ実行については,命令レベル単位で1 命令ずつ実行します。
デバッグ対象として選択したPEのみ実行,ブレークを行います。
全PE において,原則として同期実行/同期ブレークを行います。
ステップ実行については,動作周波数に従い同期してステップ実行します。
ソフトウェア・ブレークを除く全てのイベントは,デバッグ対象として選択したPEのみに設定します。
ただし,メモリ種別に“(Self)”が付いた内蔵RAM領域に対してソフトウエア・ブレークを設定する場合は,デバッグ対象として選択したPEの領域のみに設定します。
イベント パネルには,全PEに設定したイベントを一覧表示します。
その他のパネルでは,デバッグ対象として選択したPEに設定したイベントのみを表示します。
現在選択しているPEにより,メモリ・マップが異なる場合があります。
この場合,プロパティ パネルの[デバッグ・ツール設定]タブ上の[メモリ]カテゴリ,およびメモリ・マッピング ダイアログでは,PEを切り替えることによって対応したメモリ・マップを表示します。
現在選択しているPEにかかわらず,同じ値を表示/設定します。
ただし,Local RAM self領域については,現在選択しているPEの値を取得し表示/設定します。
現在選択しているPEのPC値を基にアドレスと値を決定します(たとえば,シンボルが特定のPEのみで有効であった場合でも,現在選択しているPEを基にアドレスと値を決定します)。
【Full-spec emulator】【E1】【E20】 |
[デバッグ対象のコアのみ]を選択している場合(デフォルト) |
[全てのコア]を選択している場合 |
【シミュレータ】 |
全PEを対象に実行時間の計測を行います。
計測完了後,PEを切り替えることによって対応した測定結果を表示します。
全PEのアクセスを対象にカバレッジ測定を行います。
ただし,Local RAM self領域については,現在選択しているPEのアクセスのみを対象に測定結果を表示します。
全PE を対象にパフォーマンス計測を行います。
計測完了後,PE を切り替えることによって対応した測定結果を表示します。