1. 2 特 長
組み込み型制御用OSのアーキテクチャとして代表的なμITRON4.0仕様に準拠した設計が行われています。
様々な実行環境に対応するために,RIシリーズが処理を実行する上で必要となるハードウエア依存処理をユーザ・オウン・コーディング部,またはターゲット依存部として切り出し,サンプル・ソース・ファイルを提供しています。これにより,様々な実行環境への移植性を向上させるとともに,カスタマイズを容易なものとしています。
実行環境に組み込んで使用することを前提としたリアルタイム・マルチタスクOSであるため,ROM化を意識し,コンパクトな設計が行われています。
また,RIシリーズが提供しているサービス・コールのうち,ユーザがシステム内で使用するサービス・コールのみをシステム構築時にリンクすることができるため,コンパクトでありながらユーザのニーズに最適なリアルタイム・マルチタスクOSを構築することができます。
システム構築時,およびシステム・デバッグ時に有益なツールを提供しています。
入力ファイルとして記述性/可読性の面で優れたシステム・コンフィギュレーション・ファイルを読み込み,出力ファイルとして情報ファイル(システム情報テーブル・ファイル,システム情報ヘッダ・ファイルなど)を出力します。
備考 詳細は,「RI78V4 V2.
xx.
xx/RI850V4 V2.
xx.
xx/RI600V4/RI600PX/RI850V4/RI850MP/RI78V4 コーディング編」を参照してください。
(b) テーブル生成ユーティリティ【RI600PX】
アプリケーションが使用しているサービス・コール情報を収集し,最適なサービス・コール・テーブルと割込みベクタ・テーブルを生成するコマンド・ライン・ツールを提供します。
備考 詳細は,「RI600PX コーディング編」を参照してください。
システムを効率的にデバッグするための機能(OS資源表示機能など)を提供します。
備考 詳細は,「RI78V4 V2.
xx.
xx/RI850V4 V2.
xx.
xx/RI600V4/RI600PX/RI850V4/RI850MP/RI78V4 デバッグ編」を参照してください。
(d) タスク・アナライザ・ツール【RI78V4 V2.
xx.
xx】【RI850V4 V2.
xx.
xx】【RI600V4】
デバッガからトレース情報を受け取り,処理プログラムの実行遷移状況,リアルタイムOS資源の利用状況,CPUの使用状況などといった解析情報をグラフィカルに表示する機能を提供します。
備考 詳細は,「RI78V4 V2.
xx.
xx/RI850V4 V2.
xx.
xx/RI600V4 解析編」を参照してください。
(e) プログラム解析ツール【RI850V4 V1.
xx.
xx】【RI78V4 V1
.xx.xx】
処理プログラムの定量的な性能解析を行うための機能(処理のタイミングによる不具合,システム全体の性能評価などといった時間に関連した解析機能)を提供します。
備考 詳細は,「RI850V4/RI78V4 解析編」を参照してください。
プログラム・ミスをプログラム・デバッグ時に検出できず,システムが市場に出荷された後で不具合が発生する可能性に対して,RI600PXはシステムの高信頼性化を実現します。メモリ・データ破壊が,特にOS等を格納しているメモリ領域で発生すると,システムの動作が異常になる等の危険な状態を招きます。しかし,RI600PXではメモリ・データが破壊されることはないため,システムは正常な動作を継続でき,信頼性の高いシステムの実現に貢献します。
メモリ保護機能の無いシステムでは,一般にはポインタ不正などでメモリ内容が破壊されても,実際に不具合現象となってはじめて気付きます。バグの原因を特定するには,エミュレータのトレース機能などを元に解析するしかなく,それには多くの時間を費やす必要がありました。RI600PXでは,不正メモリ・アクセスの時点でそれが検出されるので,デバッグ効率が飛躍的に高まります。
備考 詳細は,「RI600PX コーディング編」を参照してください。
(6) デュアル・コア・マイクロコントローラ用プログラミングのサポート【RI850MP】
デュアル・コア・マイクロコントローラの制御を行うため,PE(Processor Element)間の同期を行うためのサービスを提供します。
備考 詳細は,「RI850MP コーディング編」を参照してください。