式とは,シンボル,定数,および,前述の2つに演算子を付加したもの,または演算子で結合したものです。
式を構成する演算子以外の要素を項といい,記述された左側から順に第1項,第2項,…と呼びます。
演算子には「表 5.3  演算子の種類」に示すものがあり,演算実行上の優先順位が「表 5.4  演算子の優先順位」のように決められています。
演算の順序を変更するには,かっこ“ ( ) ”を使用します。
例を示します。
 
上記の例では,“5 * (SYM+1)”が式です。“5”が第1項,“SYM”が第2項,“1”が第3項です。“*”,“+”,“( )”が演算子です。
上記の演算子は,単項演算子,2項演算子に分けられます。
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単項演算子 | 
+符号,-符号,!,HIGH,LOW,HIGHW,LOWW,HIGHW1 | 
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2項演算子 | 
+,-,*,/,MOD(%),&,|,^,==,!=,>,>=,<,<=,>>,<<,&&,|| | 
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+符号,-符号,!,HIGH,LOW,HIGHW,HIGHW1,LOWW,STARTOF,SIZEOF | 
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*,/,%,>>,<< | 
|  | 
&,|,^ | 
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+,- | 
|  | 
==,!=,>,>=,<,<= | 
|  | 
&&,|| | 
式の演算は,次の規則に従います。
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- | 演算の順序は,演算子の優先順位に従います。同一順位の場合は,左から右に演算されます。単項演算子の場合は,右から左に演算されます。
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- | かっこ“ ( ) ”の中の演算は,かっこの外の演算に先立って行われます。 | 
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- | 式の演算は,符号なし32ビットで行います。ただし,乗算,除算,剰余算,および,論理シフトの第2項は符号付き32ビットとして扱います。演算中に32ビットを越えてオーバーフローした場合,オーバーフローした値は無視されます。
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- | 定数が32ビットを越える場合には,下位32ビットを有効として計算されます。 | 
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- | 除算では,小数部分を切り捨てます。除算がゼロの場合は,エラーとなります。
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- | 相対値式のアセンブル時の評価値はゼロです(評価値はリンク時に決定されます)。 | 
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2 + 4 * 5 | 
22 | 
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(2 + 3) * 4 | 
20 | 
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10/4 | 
2 | 
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0 - 1 | 
0xFFFFFFFF | 
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EXT注 + 1 | 
0 |