__callt宣言された関数をcallt命令で呼び出します。
[機能]
- | __callt宣言された関数(callt関数)は,callt命令で呼び出します。
callt命令は,callt命令テーブルと呼ばれる領域(0x80~0xBF)に「関数定義の先頭アドレス」が格納された関数を,直接関数を呼ぶよりも短いコードで呼ぶことを可能にします。 |
- | callt関数の呼び出しには,関数名の先頭に”@_”を付加したラベル名を使用し,callt命令で呼び出します。
関数末尾でcallt関数を呼び出す場合,callt命令での呼び出しにならない場合があります。 |
- | 呼ばれる関数は,C ソース中において,通常の関数と同様に扱います。 |
- | __near指定となり,アドレス参照は必ずnearポインタを返します。 |
- | callt関数は再配置属性TEXTのセクションへ配置します。 |
- | callt命令テーブルはセクション.callt0に配置します。 |
[効果]
- | 2バイト・コール命令での関数呼び出しとなるため,オブジェクト・コードのサイズが小さくなります。 |
[方法]
- | 関数を定義するモジュール中で,__callt 宣言を行います。 |
__callt 関数宣言;
extern __callt 関数宣言;
static __callt 関数宣言;
__callt extern 関数宣言;
__callt static 関数宣言;
|
[制限]
- | callt関数は,メモリ・モデルによらず,0xC0~0xFFFFに配置します。 |
- | 関数宣言以外に__calltを指定した場合は,コンパイル・エラーとなります。 |
- | callt関数の数に関するチェックは,リンク時に行います。 |
- | 対象関数のすべての宣言に対して__calltを指定する必要があります。
__calltの指定の有無が混在する場合は,コンパイル・エラーとなります。 |
void func(void);
__callt void func(void); //エラー
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- | __nearと同時指定できますが,__farと同時指定した場合はコンパイル・エラーとなります。 |
__callt void func1(void); //関数アドレスはnear
__callt __near void func2(void); //関数アドレスはnear
__callt __far void func3(void); //エラー
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- | typedef中に__calltを使用した場合は,コンパイル・エラーとなります。 |
typedef __callt int CI; //エラー
|
- | 関数宣言に__calltの指定がある関数に#pragmaの指定がある場合は,コンパイル・エラーとなります。 |
[使用例]
Cソースを以下に示します。
__callt void func(void){
:
}
void main(void){
func(); //callt関数の呼び出し
:
}
|
アセンブリ・ソースにおけるセクション割り付けと出力コードは以下となります。
.PUBLIC _func
.PUBLIC _main
.PUBLIC @_func
:
.SECTION .text,TEXT
_func:
:
.SECTION .textf,TEXTF
_main:
callt [@_func]
:
.SECTION .callt0,CALLT0
@_func:
.DB2 _func
:
|
[備考]
- | キーワード__calltと#pragma calltの違いについて |
- | __calltキーワードは,__farキーワードとの混在を許さずコンパイル・エラーとなります。 |
- | #pragma calltは,__farキーワードを付加した関数でも警告なしで__calltを指定したものとして扱います。 |