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5.2.2 セクション定義疑似命令

セクションとは,同種のルーチン,またはデータなどをブロック化したものです。セクション定義疑似命令は,セクションの開始,および終了を宣言するための疑似命令です。

セクションは,最適化リンカにおける配置単位です。

  .cseg  
    :
  .dseg  
    :

 

同じセクション名のセクション同士は,同一の再配置属性でなければなりません。したがって,再配置属性の異なる複数のセクションに,同一のセクション名を付けることはできません。同一のセクション名でありながら再配置属性が異なる場合はエラーとなります。

セクションは分割記述を行うことができます。つまり,1つのソース・プログラム・ファイル内に記述した同一再配置属性,同一セクション名のセクションは,アセンブラ内部で連続したひとつのセクションとして処理を行います。

別々のソース・プログラム・ファイル内に分割記述した場合は,最適化リンカが処理を行います。

セクション名はシンボルとして参照できません。

 

セクション定義疑似命令には,次のものがあります。

表 5.7

セクション定義疑似命令

疑似命令

概要

.cseg

アセンブラにコード・セクションの開始を指示

.dseg

アセンブラにデータ・セクションの開始を指示

.section

アセンブラにセクションの開始を指示

.org

アセンブラに絶対アドレス形式セクションの開始を指示

.offset

セクション先頭からのオフセットを設定