登録した変数/レジスタ/アドレス等の値と時間の関係を折れ線グラフで表示します。
また,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品【E1/E2 Lite/E20【RL78】】の場合では,デバッグ・ツールをデータ収集モード注に設定することにより,Smart Analog用に収集したデータをグラフで表示することができます。
グラフ表示は,解析グラフ パネルの[値の推移]タブで行います。
なお,表示される各エリアについての詳細は,[値の推移]タブを参照してください。
選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合のみサポートするデバッグ・ツールの機能です【E1/E2 Lite/E20【RL78】】。
デバッグ・ツールをデータ収集モードに設定することにより,プログラム実行時にSmart Analog用のデータを収集します。
このモードは,デバッグ・ツールのプロパティ パネルにおける次の指定により設定されます。
[デバッグ・ツール設定]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[実行中にデータ収集を行う]→[はい]
デバッグ・ツールが取得したトレース・データ,またはリアルタイムRAMモニタ結果を基にグラフ表示を行います。グラフ表示を行うためには,「(a) トレース機能」/「(b) RRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能」の注意を参照してください。 |
グラフ・データの取得方法としてリアルタイム・サンプリング方式を指定する場合は,「3.3 リアルタイム・サンプリング方式について」を参照してください。 |
グラフ・データの取得方法としてトレース・データ解析方式を指定する場合は,「3.4 トレース・データ解析方式について」を参照してください。 |
【E1/E2 Lite/E20【RL78】】 |
カーソル情報エリア,およびチャネル情報エリアは,スプリッタを移動することにより表示領域を変更することができます。また,これらのエリアは,各スプリッタ上の中央のマークをクリックすることにより,表示/非表示を切り替えることができます。 |
(b) Smart Analog 用に収集したデータをグラフ化する場合【E1/E2 Lite/E20【RL78】】
プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,[ファイルから読み込み]を選択している場合(解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)からグラフを復帰した場合) |
なお,登録が完了すると,チャネル情報エリアの各チャネル番号に対応した変数名チェック・ボックスに,登録したグラフ化対象名が表示されます。
<1> 対象を個別に登録する場合(プロパティ パネル上での登録)
グラフ化対象は,1チャネルにつき1個,最大16チャネル(16個)まで登録することができます。ただし,使用するデバッグ・ツール,およびグラフ・データの取得方法により,グラフ化が可能な対象の数,およびサイズに限りがある場合があります(「(2) グラフ・データの取得方法を指定する」参照)。 |
次のプロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[チャネル 1〜16]カテゴリ内[変数名/アドレス1〜16]プロパティにおいて,登録する対象名を直接キーボードより入力します。
なお,[チャネル 1〜16]カテゴリでは,各対象ごとに,次の詳細条件を指定することができます(「(4) グラフを表示する」参照)。
[1グリッドあたりの値[Val/Div] 1〜16] : グラフにおける単位グリッドあたりの数値
登録したグラフ化対象名は,[値の推移]タブの変数名チェック・ボックスに表示されます。 |
次のパネル上の対象を,このタブ上のチャネル番号,または変数名チェック・ボックスへ直接ドラッグ・アンド・ドロップします。
上記のほか,変数一覧 パネル/エディタ パネルでは,コンテキスト・メニューの[解析グラフに登録]を選択することによっても,選択している変数をグラフ化対象として登録することができます。 |
グラフ・コントロール・エリアの[反映]ボタンをクリックすることにより,現在ウォッチ パネル(ウォッチ1)に登録されている上から16個のウォッチ式を,グラフ化対象として自動登録します。
なお,ウォッチ パネル(ウォッチ1)に登録されているウォッチ式が16個未満の場合は,登録されている個数分のみが登録されます。
この機能は,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合のみ有効となります。
まず,使用しているデバッグ・ツールをデータ収集モードに設定します。
続いて,次のプロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[Smart Analog]カテゴリ内[データ収集チャネル]プロパティにおいて,デバイスからデータを受信するチャネル番号を指定します。
ドロップダウン・リスト内において,使用するチャネル番号のチェック・ボックスをすべてチェックしてください(最大8チャネルまで複数選択可)。
[Smart Analog]カテゴリは,デバッグ・ツールがデータ収集モードに設定されている場合のみ表示されます。 |
なお,プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[チャネル 1〜16]カテゴリでは,各チャネルごとに,次の詳細条件を指定することができます(「(4) グラフを表示する」参照)。
[変数名/アドレス1〜16] : 変数名チェック・ボックスに表示する文字列
[1グリッドあたりの値[Val/Div] 1〜16] : グラフにおける単位グリッドあたりの数値
グラフ・データの取得方法には次の3通りがあります。プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,目的に応じた取得方法を選択してください。
デバッグ・ツールのRRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能により取得したデータを基にグラフ表示を行います(デフォルト)。 デバッグ・ツールがデータ収集モードに設定されている場合,Smart Analog用のサンプリング方式注によりデータ収集を行います。したがって,Smart Analog 用に収集したデータをグラフ化する場合【E1/E2 Lite/E20【RL78】】は,この項目を選択してください。 |
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デバッグ・ツールのトレース機能により取得したトレース・データを基にグラフ表示を行います。
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保存した解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)を読み込みグラフ表示の復帰を行います(「(6) グラフを復帰するためのグラフ・データを保存する」参照)。 |
プロパティ パネルにおいて,次のプロパティ設定を行う必要があります。 |
[値の推移]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]]プロパティ |
グラフ・データの取得方法によるグラフ化の際の相違点は次のとおりです。
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デバッグ・ツールのトレース機能が有効な状態時のみ表示可 |
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あり(「(3) トリガ機能を使用する」参照) |
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実際のタイミングと合致(ポップアップ表示から確認可能) |
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「(a) トレース機能」参照 |
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プロパティ パネルにおける次の設定に依存します。 |
[値の推移]タブ→[全般]カテゴリ→[グラフの種類]プロパティ |
【E20(JTAG)【RX600シリーズ】】 |
使用するマイクロコントローラ/デバッグ・ツールにより,有効イベント数の制限は異なります。 |
デバッグ・ツールのプロパティ パネル→[デバッグ・ツール設定]タブ→[実行中のメモリ・アクセス]カテゴリ→[表示更新間隔[ms]]プロパティ
- データ収集モードに設定している場合【E1/E2 Lite/E20【RL78】】
プロパティ パネル→[値の推移]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]]プロパティ
リアルタイム・サンプリング方式を指定した場合では,指定したトリガ信号によりグラフを表示するタイミングを制御することができます。このトリガ機能を使用することにより,オシロ・スコープと同じ感覚でグラフを表示することができます。
トリガ機能を使用するためには,プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[トリガ]カテゴリにおいて,次の設定を行います。
なお,ここで設定した内容は,このタブ上にトリガ情報として一覧表示されます。
トリガ機能を使用するためには[はい]を選択してくだい(デフォルト:[いいえ])。
トリガ・モード(グラフの表示更新を行うタイミング)を選択します。
トリガ信号発生によりグラフの表示更新を行っている間をトリガ保留期間とし,保留期間中のトリガ信号発生によるグラフの表示更新は行いません。保留期間中のトリガ信号は,[Auto]/[Single]では無視し,[Normal]では保留期間の解除直後に最新のトリガ信号に対応するグラフの表示更新を行います。 |
トリガ信号の入力として,どの変数(チャネル)を対象とするかを選択します。
ch1〜ch16のうちいずれか1つのチャネルを選択します(デフォルト:[ch1])。
[トリガ・ソース]で指定した変数(チャネル)の数値が,ここで指定したしきい値を越えたか否かで,トリガ信号の発生とみなすか否かが決定されます。
“トリガ・ソースの最小値”〜“トリガ・ソースの最大値”の範囲の10進数/16進数の数値(浮動小数指定可)を直接入力で指定します(デフォルト:[0])。
トリガ・レベルは,グラフの右側にトリガ・マーク(
)として表示されます。 |
[トリガ・レベル]で指定したしきい値に対する方向を選択します。
[トリガ・ソース]で指定した変数(チャネル)の数値が,ここで指定した方向でしきい値を越えたか否かで,トリガ信号の発生とみなすか否かが決定されます。
[トリガ・ソース]で選択した変数(チャネル)の数値が,[トリガ・レベル]で指定したしきい値未満からしきい値以上に変化した際にトリガ信号を発生します(デフォルト)。 |
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[トリガ・ソース]で選択した変数(チャネル)の数値が,[トリガ・レベル]で指定したしきい値より大きい値からしきい値以下に変化した際にトリガ信号を発生します。 |
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トリガ信号が発生した箇所を描画するX軸方向の位置(トリガ信号発生後のデータをグラフ化する位置)を指定します。
次の範囲の10進数値を直接入力により指定します(デフォルト:[0s])。
なお,単位(s,ms,us,ns)を省略した場合は,“ms”として扱います(大文字/小文字不問)。
トリガ・ポジションは,グラフの上側にトリガ・マーク(
)として表示されます。 |
トリガ・レベル,およびトリガ・ポジションを示すトリガ・マーク( / )の色を指定します。
色選択用コンボ・ボックスによる指定か,またはキーボードからの直接入力により10進数/16進数(0x付き)の数値,または色名(「色の指定方法について」参照)を指定します(デフォルト:[Color Orange])。
プログラム実行注→停止を行ったのち,登録したグラフ化対象に関する最新のグラフが表示されます(デフォルト)。
ただし,該当するデータが取得できない場合は,グラフは表示されません。
リアルタイム・サンプリング方式 |
[値の推移]タブ→[全般]カテゴリ→[サンプリング開始/停止]プロパティ→[手動] |
トレース・データ解析方式 |
【E1/E2 Lite/E20【RL78】】 |
取得したグラフ・データがバッファ容量(10000プロット分)を越えた場合,新しいグラフ・データを最も古いグラフ・データに上書きしていきます(リング・バッファ方式)。 |
リアルタイム・サンプリング方式を選択している場合,グラフ・データの取得に失敗すると,時間情報のみの表示となり,遷移箇所と遷移箇所を結ぶ線は表示されません(「(a) グラフ」参照)。 |
【E1/E2 Lite/E20【RL78】】 |
デバッグ・ツールのトレース・メモリ領域には限りがあります。したがって,トレース・データ解析方式によりグラフ・データを取得する場合,より広範囲での値の推移を表示するためには,ウォッチ パネルにおいてグラフ化対象にポイント・トレース・イベントを設定することをお勧めします。 |
デフォルトでは,グラフ化対象が登録済みのチャネルのグラフはすべて表示されます。
グラフを非表示にする場合は,対応するチャネル番号の変数名チェック・ボックスのチェックを外します。
リアルタイム・サンプリング方式を指定した場合,表示するグラフ形式を選択することができます。
グラフ形式の選択は,プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[グラフの種類]プロパティにより行います(トレース・データ解析方式を指定している場合は,[ステップ折れ線グラフ]固定となります)。
グラフの表示は,X軸/Y軸に対して10分割のグリッド線を表示して行われます。
取得したグラフ・データを基にして,X軸に対する単位グリッドあたりの時間(Time/Div),およびY軸に対する単位グリッドあたりの値(Val/Div)とオフセット値を,次のような最適な値に計算してグラフを表示します(デフォルト)。
自動調整機能は,トリガ機能を使用する場合,またはデバッグ・ツールをデータ収集モードに設定している場合は無効となります。 |
解析グラフ パネル上の[Time/Div]/[Val/Div]ラベルをダブルクリック |
マウス操作による表示範囲の変更(「手動で設定する」参照) |
プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[自動調整]プロパティを[行わない]に設定したのち,次の値を設定します。
プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[1グリッドあたりの時間[Time/Div]]プロパティにより,全チャネルを対象に,単位グリッドあたりの時間(Time/Div)を指定します。
プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[チャネル 1〜16]カテゴリ内[1グリッドあたりの値[Val/Div] 1〜16]プロパティ/[オフセット 1〜16]プロパティにより,各チャネルごとに,単位グリッドあたりの値(Val/Div)/オフセット値を指定します。
また,次のマウス操作によっても,上記の値を変更することができます。
ただし,プログラム実行中は,これらの機能は無効となります。
解析グラフ パネル上の[Time/Div]ラベルをダブルクリックすることにより,X軸に対して自動調整機能による効果と同等の設定値となります。 |
対象グラフの遷移箇所のいずれかにマウス・カーソルを重ねた状態で(マウス・カーソルの形状が に変化します),[Shift]キーを押下しながらマウスを上下にクリック&ドラッグします。
なお,ドラッグ中に[Esc]キーを押下した場合,オフセット値の変更はキャンセルされます。
表示されたグラフにおいて,必要に応じて次の操作を行うことができます。
グラフの遷移箇所上にマウス・カーソルを重ねることにより,該当箇所の情報がポップアップ表示されます。
ただし,表示される内容は,グラフ・データの取得方法により異なります(「(i) ポップアップ表示」参照)。
ポップアップ表示内に[場所]情報が表示されている場合,その箇所をダブルクリックすることにより,エディタ パネルで該当箇所を表示することができます(解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)の読み込みにより復帰したグラフの場合を除く)。 |
グラフ上のカーソルA/カーソルBの位置に対する時間/数値を確認します。
X軸(時間),またはY軸 (値)を対象としてカーソル計測を行うことができます。
計測結果は,このタブ上のカーソル情報エリアに一覧表示されます(「(4) カーソル情報エリア」参照)。
操作方法は,まず,カーソル選択ボタン([X軸(Time軸)]/[Y軸 (Val軸)])により計測対象とする軸を選択します。次に,次の操作により,カーソルA/カーソルBを任意の位置へ表示/設定します(カーソルはデフォルトで非表示です)。
グラフ・コントロール・エリアのズーム1〜4チェック・ボックスをチェックすることにより(複数選択可),チェックした番号に対応した値の推移(ズーム) パネルをオープンし,指定した範囲をズーム表示することができます(値の推移(ズーム) パネルは最大4個までオープンすることができます)。
ズーム表示範囲の設定は,[ズーム]コンボ・ボックスにおいて表示対象となる値の推移(ズーム) パネルの番号を選択したのち,ズーム表示したい領域をマウスでクリック&ドラッグすることで行います。この時グラフ上に表示されるドラッグ領域を示すズーム枠が表示されている限り,同動作でズーム表示範囲は再設定されます。
ドラッグ中に[Esc]キーを押下した場合,ズーム範囲の設定はキャンセルされます。また,設定した範囲を解除するには,グラフ領域内のいずれか(遷移箇所を除く)をダブルクリックします。
なお,ズーム表示の内容についての詳細は,値の推移(ズーム) パネルを参照してください。
ズーム表示範囲の設定は,4個の値の推移(ズーム) パネルに対して,それぞれ個別に行うことができます。 |
現在表示しているグラフを解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)に保存したのち,そのファイルを読み込むことで,グラフを復帰(再表示)させることができます。
[値の推移]タブ上のグラフの場合 |
値の推移(ズーム) パネル上のグラフの場合 |
プロパティ パネルの[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,[ファイルから読み込み]を選択します(「(2) グラフ・データの取得方法を指定する」参照)。
続いて,同カテゴリ内[解析グラフ・データ・ファイル]プロパティにおいて,先に保存した解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)を指定します。相対パスによる指定の場合は,プロジェクト・フォルダを基点として指定してください。
なお,この際に保存/復帰の対象となるデータは,次のとおりです。
[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]] ただし,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合で,デバッグ・ツールをデータ収集モードでグラフ・データを取得した場合のみが保存の対象となります。 |
グラフの復帰以外の目的のグラフ・データの保存についての詳細は,「2.14 解析情報をファイルに保存する」を参照してください。 |