loc_mtx

概要

ミューテックスのロック

C言語形式

 ER      loc_mtx ( ID mtxid );
パラメータ

I/O

パラメータ

説明

I

 ID      mtxid;
ミューテックスのID



機能

mtxidで指定されたミューテックスをロックします。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象ミューテックスをロックすることができなかった(すでに他タスクがロックしていた)場合には,自タスクを対象ミューテックスの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からWAITING状態(ミューテックス待ち状態)へと遷移させます。
なお,ミューテックス待ち状態の解除は,以下の場合に行われます。



 
ミューテックス待ち状態の解除操作

戻り値

unl_mtxの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

ext_tskの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

exd_tskの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

ter_tskの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

rel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_RLWAI

irel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_RLWAI

del_mtxの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_DLT



ミューテックスのロック時には,自タスクの現在優先度を対象ミューテックスの上限優先度に変更します。ただし,自タスクがすでに他のミューテックスをロックしており,かつ対象ミューテックスの上限優先度がロック済みのミューテックスの上限優先度以下の場合は,自タスクの現在優先度は変更しません。

備考1 自タスクを対象ミューテックスの待ちキューにキューイングする際のキューイング方式は,タスクの現在優先度順に行われます。ただし,同じ優先度のタスクの中ではFIFO順に行われます。

備考2 自タスクがロックしているミューテックスに対して本サービス・コールを再発行(ミューテックスの多重ロック)した際には,戻り値としてE_ILUSEを返します。

戻り値

マクロ

数値

意味

E_OK

0

正常終了

E_ID

-18

不正ID番号

- mtxid≦0

- mtxid > VTMAX_MTX

E_CTX

-25

コンテキスト・エラー

- 非タスクから本サービス・コールを発行した。

- CPUロック状態から本サービス・コールを発行した。

- ディスパッチ禁止状態から本サービス・コールを発行した。

- 「PSW.IPL > カーネル割り込みマスクレベル」の状態から本サービス・コールを発行した。

E_MACV

-26

メモリ・アクセス違反

- スタック・ポインタが呼出しタスクのユーザ・スタック領域の範囲外を指している。

E_ILUSE

-28

サービス・コール不正使用

- 自タスクはすでに対象ミューテックスをロック済み

- 上限優先度違反(自タスクのベース優先度 < 対象ミューテックスの上限優先度)

E_NOEXS

-42

オブジェクト未生成

- mtxidのミューテックスが存在しない。

E_RLWAI

-49

待ち状態の強制解除

- rel_waiまたはirel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_DLT

-51

待ちオブジェクトの削除

- del_mtxの発行により,待ち状態を強制的に解除された。