tloc_mtx

概要

ミューテックスのロック(タイムアウト付き)

C言語形式

 ER      tloc_mtx ( ID mtxid, TMO tmout );
パラメータ

I/O

パラメータ

説明

I

 ID      mtxid;
ミューテックスのID

I

 TMO     tmout;
待ち時間(単位:ミリ秒)

TMO_FEVR: 永久待ち

TMO_POL: ポーリング

数値: 待ち時間



機能

パラメータmtxidで指定されたミューテックスをロックします。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象ミューテックスをロックすることができなかった(すでに他タスクがロックしていた)場合には,自タスクを対象ミューテックスの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からタイムアウト付きのWAITING状態(ミューテックス待ち状態)へと遷移させます。
なお,ミューテックス待ち状態の解除は,以下の場合に行われます。



ミューテックス待ち状態の解除操作

戻り値

unl_mtxの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

ext_tskの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

ter_tskの発行により,対象ミューテックスのロック状態が解除された。

E_OK

rel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_RLWAI

irel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_RLWAI

パラメータtmoutで指定された待ち時間が経過した。

E_TMOUT



ミューテックスのロック時には,自タスクの現在優先度を対象ミューテックスの上限優先度に変更します。ただし,自タスクがすでに他のミューテックスをロックしており,かつ対象ミューテックスの上限優先度がロック済みのミューテックスの上限優先度以下の場合は,自タスクの現在優先度は変更しません。

備考1 自タスクを対象ミューテックスの待ちキューにキューイングする際のキューイング方式は,タスクの現在優先度順に行われます。ただし,同じ優先度のタスクの中ではFIFO順に行われます。

備考2 RI600V4では,自タスクがロックしているミューテックスに対して本サービス・コールを再発行(ミューテックスの多重ロック)した際には,戻り値としてE_ILUSEを返します。

備考3 待ち時間tmoutTMO_FEVRが指定された際には“loc_mtxと同等の処理”を,TMO_POLが指定された際には“ploc_mtxと同等の処理”を実行します。

戻り値

マクロ

数値

意味

E_OK

0

正常終了

E_PAR

-17

パラメータ・エラー

- tmout<-1

- tmout>(0x7FFFFFFF - TIC_NUME)/TIC_DENO

E_ID

-18

不正ID番号

- mtxid≦0

- mtxidVTMAX_MTX

E_CTX

-25

コンテキスト・エラー

- 非タスクから本サービス・コールを発行した。

- CPUロック状態から本サービス・コールを発行した。

- ディスパッチ禁止状態から本サービス・コールを発行した。

- 「PSW.IPL > カーネル割り込みマスクレベル」の状態から本サービス・コールを発行した。

E_ILUSE

-28

サービス・コール不正使用

- 自タスクはすでに対象ミューテックスをロック済み

- 上限優先度違反(自タスクのベース優先度 < 対象ミューテックスの上限優先度)

E_RLWAI

-49

待ち状態の強制解除

- rel_waiまたはirel_waiの発行により,待ち状態を強制的に解除された。

E_TMOUT

-50

待ち時間が経過した,またはポーリング失敗