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2.22 FAAシミュレーション機能【シミュレータ】

この節では,選択しているマイクロコントローラがFAA(Flexible Application Accelerator)を搭載している場合に動作するFAAのシミュレーション機能と使用上の注意事項について説明します。

 

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FAAシミュレーション機能

RL78命令シミュレータの機能に加えて,以下のシミュレーションを行います。

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FAA(命令および機能)

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SHDMEM

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除算器

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割り込み機能

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タイマ・アレイ・ユニット(ユニット0のチャネル0-3のみ,インターバルタイマとしてのみ使用可能)

タイマ・アレイ・ユニットの注意事項は,RL78の周辺機能シミュレーションを行うシミュレータのリリースノートを参照してください。

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使用上の注意事項

(1)

以下のFAA機能は対応していません。

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入力イベント・コントローラ(GRNINPUTC)

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低消費電力機能 (SYSC.SLPビット,DSYSC.SLPビット)

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アドレス・バス選択機能

(2)

除算器は,FAADUCレジスタのDIVSTビットを1にセットし除算演算動作を開始すると16クロックで演算終了するはずですが,シミュレータでは即時に除算演算が完了し割り込み(INTMD)が発生します。

(3)

割り込みコントローラ(GRNINTC)は以下には対応していません。

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FAA 内部の割り込み要因のうちの入力イベント検出割り込み要求

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FAA 外部から入力する割り込み要因のすべて

(4)

基準タイミング・コントローラはフリーラン・カウンタの動作開始(FCCNT.FCEN=1)をすると,CPU側がブレーク,またはFAA側がブレーク,あるいは両方共がブレークしていても,フリーラン・カウンタは動作を続けます。フリーラン・カウンタが停止するのは,FCCNT.FCEN=0になった時,またはFAAEN=0になった時です。

(5)

CPUプログラムまたはSFRパネルで,下記の手順でFAAの基準タイミング生成部のフリーラン・カウンタを動作させた時は,タイミングのコンペア値が小さい場合に,タイミング・コンペア・マッチによる割り込みが無視される場合があります。

(a)

基準タイミング生成部のレジスタを設定する。

TMCMP0=0xF, TMMSK0=0x0

(b)

フリーラン・カウンタを動作させる。 FCCNT.FCEN=1

(c)

WIND=0 をセット

(d)

SYSC.ENB=1

(b)の後にフリーラン・カウンタの動作が開始され,(d)の前にFCNTが0xFまでカウントアップされてしまうと,タイミング・コンペア・マッチの割込みが無視されるためです。

(6)

シミュレータはFAAEN=0の時も,FAA インストラクション・コード・メモリとFAAデータ・メモリに対象リソース割り当て領域からアクセス(Read/Write)できてしまいます。

(7)

シミュレータではCPUとFAAは非同期で実行しているため,FAAを実行する区間を含むCPUのRun-Break時間は正しくありません。