飽和減算を行います。(Saturated Subtract)
[指定形式]
immに指定できるものを次に示します。
[機能]
第2オペランドに指定したレジスタ値から,第1オペランドに指定したレジスタ値を減算し,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。ただし,結果が正の最大値0x7FFFFFFFを越えた場合は0x7FFFFFFFを,負の最大値0x80000000を越えた場合は0x80000000を第2オペランドに指定したレジスタに格納し,SATフラグに1を設定します。
第2オペランドに指定したレジスタ値から,第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の値を減算し,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。ただし,結果が正の最大値0x7FFFFFFFを越えた場合は0x7FFFFFFFを,負の最大値0x80000000を越えた場合は0x80000000を第2オペランドに指定したレジスタに格納し,SATフラグに1を設定します。
- | “satsub reg1, reg2, reg3”の形式 |
第2オペランドに指定したレジスタ値から,第1オペランドに指定したレジスタ値を減算し,結果を第3オペランドに指定したレジスタに格納します。ただし,結果が正の最大値0x7FFFFFFFを越えた場合は0x7FFFFFFFを,負の最大値0x80000000を越えた場合は0x80000000を第3オペランドに指定したレジスタに格納し,SATフラグに1を設定します。
[詳細説明]
- | “satsub reg1, reg2”,および“satsub reg1, reg2, reg3”の形式の命令に対し,アセンブラでは,機械語命令のsatsub命令が1つ生成されます。 |
- | “satsub imm, reg2”の形式でimmに次のもの,アセンブラでは,命令展開が行われ,1つ,または複数個の機械語命令が生成されます。注 |
satsub 0, reg
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satsub r0, reg
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satsub imm16, reg
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satsubi imm16, reg, reg
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(c) | -32768〜+32767の範囲を越える絶対値式 |
immの値の下位16ビットがすべて0の場合
satsub imm, reg
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movhi HIGHW(imm), r0, r1
satsub r1, reg
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上記以外の場合
satsub imm, reg
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mov imm, r1
satsub r1, reg
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(d) | !label,または%labelを持つ相対値式,およびdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式 |
satsub !label, reg
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satsubi !label, reg, reg
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satsub %label, reg
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satsubi %label, reg, reg
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satsub $label, reg
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satsubi $label, reg, reg
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(e) | #label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持たないラベルの$labelを持つ相対値式 |
satsub #label, reg
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mov #label, r1
satsub r1, reg
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satsub label, reg
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mov label, r1
satsub r1, reg
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satsub $label, reg
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mov $label, r1
satsub r1, reg
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注 | 機械語命令のsatsub命令は,オペランドにイミーディエトをとりません。 |
[フラグ]
CY
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MSB(Most Significant Bit)へのボローが生じた場合1,そうでない場合0
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OV
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Integer-Overflowを生じた場合1,そうでない場合0
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S
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結果が負になった場合1,そうでない場合0
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Z
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結果が0になった場合1,そうでない場合0
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SAT
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OV = 1になった場合1,そうでない場合 −
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[注意事項]
- | “satsub reg1, reg2”,および“satsub imm, reg2”の形式の命令に対し,第2オペランドにr0を指定すると,次のメッセージが出力され,アセンブルが中止されます。 |
E0550240 : RH850コア指定時には,デスティネーション・オペランドにr0を指定することはできません。
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