絶対番地配置指定(#pragma address)
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絶対番地に配置する変数を定義したいモジュール中で#pragma address宣言を行うことにより,任意のアドレスに変数を配置することができます。
[機能]
[効果]
[方法]
- | 絶対番地に配置する変数を定義したいモジュール中で,#pragma address宣言を行います。 |
#pragma address [(]変数名=絶対アドレス[,...][)]
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注 | 絶対アドレス:実効アドレス(C言語表記の2,8,10または16進数定数で記述) |
[制限]
- | #pragma address指定は,変数の宣言前にしてください。変数宣言後の#pragm aaddress指定は作用しません(警告も出力されません)。 |
- | const修飾した変数に対して#pragma addressを指定する場合はエラーとなります。 |
#pragma address i=0xf2000
const int i = 0; //エラー
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- | 初期値付きで宣言した変数に対して#pragma addressを指定する場合はエラーとなります。 |
#pragma address i=0xf2000
int i = 0; //エラー
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- | #pragma addressを同一の変数に対して複数回指定した場合はエラーとなります。 |
#pragma address i=0xf2000
#pragma address i=0xf2000 //エラー
int i;
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- | 異なる変数に対して同一アドレスを指定した場合,もしくは変数のアドレスが重なった場合はエラーとなります。 |
- | __saddr宣言した変数に対して#pragma address指定すると,コンパイル・エラーとなります。 |
#pragma address i=0xffe20
int __saddr i; //エラー
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- | 暗黙,明示問わずにnearと指定した変数に対して#pragma addresss宣言する場合,指定した絶対アドレスが0x0F0000〜0x0FFFFFの範囲に無い場合はコンパイル・エラーとなります。指定した絶対アドレスがSFR領域である場合はリンク・エラーとなります。 |
#pragma address n_i1=0xF0000
char __near n_i1; //コンパイル可
#pragma address n_i2=0xEFFFF
char __near n_i2; //エラー
#pragma address n_i3=0xEFFFF
char n_i3; //エラー
//-memory_model=small,mediumともにbssはnearであるため
#pragma address f_i=0xEFFFF
char __far f_i; //コンパイル可
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[使用例]
Cソースを以下に示します。
#pragma address (io=0x0ffe00)
int io; //ioは0x0ffe00番地に配置
func(void){
io = 0;
}
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アセンブリ・ソースにおける変数の宣言とセクション割り付けは以下となります。
.PUBLIC _io
.SECTION .bss, BSS
.ORG 0xFFE00
_io:
.DS 2
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関数中では以下のコードが出力されます。
clrw ax
movw !LOWW(_io), ax
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[備考]
- | #pragma address指定しても,変数にvolatile属性を自動付加することはしません。
オプション-volatileを使うことで,#pragma addressを含む全ての静的変数にvolatile属性を付加することができます。
個別にvolatileを付加する場合は,変数宣言にvolatileを付けてください。 |
- | 変数を特定の番地に割り当てるにあたっては,変数の整列条件を配慮してください。また,64Kバイト境界をまたいで配置しないようにしてください。 |