7.4 可変長メモリ・プール
- get_mpl
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,自タスクを対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からWAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)へと遷移させます。
なお,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態からREADY状態へと遷移します。
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,自タスクを対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からWAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)へと遷移させます。
なお,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態からREADY状態へと遷移します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mplid = ID_MPL1; /*変数の宣言,初期化*/ UINT blksz = 256; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ /*可変長メモリ・ブロックの獲得*/ ercd = get_mpl ( mplid, blksz, &p_blk ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ /*可変長メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpl ( mplid, p_blk ); } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } ............ ............ } |
備考1 RI850V4では,可変長メモリ・ブロックの獲得処理を“4の整数倍値”を単位として行います。したがって,パラメータblkszに4の整数倍値以外の値が指定された場合には,4の整数倍値に繰り上げられます。
備考2 RI850V4では,獲得した可変長メモリ・ブロックを管理するために4バイトの領域(管理ブロック)を必要とします。したがって,本サービス・コールを発行した際には,“blksz + 4”バイトの領域が対象可変長メモリ・プールから確保されることになります。
- pget_mpl,ipget_mpl
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,戻り値としてE_TMOUTを返します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,戻り値としてE_TMOUTを返します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mplid = ID_MPL1; /*変数の宣言,初期化*/ UINT blksz = 256; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ /*可変長メモリ・ブロックの獲得(ポーリング)*/ ercd = pget_mpl ( mplid, blksz, &p_blk ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*ポーリング成功処理*/ ............ /*可変長メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpl ( mplid, p_blk ); } else if ( ercd == E_TMOUT ) { ............ /*ポーリング失敗処理*/ ............ } ............ ............ } |
備考1 RI850V4では,可変長メモリ・ブロックの獲得処理を“4の整数倍値”を単位として行います。したがって,パラメータblkszに4の整数倍値以外の値が指定された場合には,4の整数倍値に繰り上げられます。
備考2 RI850V4では,獲得した可変長メモリ・ブロックを管理するために4バイトの領域(管理ブロック)を必要とします。したがって,本サービス・コールを発行した際には,“blksz + 4”バイトの領域が対象可変長メモリ・プールから確保されることになります。
備考4 本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合,パラメータp_blkで指定された領域の内容は不定となります。
- tget_mpl
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,自タスクを対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からタイムアウト付きのWAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)へと遷移させます。
なお,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態からREADY状態へと遷移します。
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールからパラメータblkszで指定されたサイズ(+4バイト)の可変長メモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象可変長メモリ・プールから可変長メモリ・ブロックを獲得することができなかった(要求サイズ分の連続する空き領域が存在しなかった)場合には,可変長メモリ・ブロックの獲得は行わず,自タスクを対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングしたのち,RUNNING状態からタイムアウト付きのWAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)へと遷移させます。
なお,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態からREADY状態へと遷移します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mplid = ID_MPL1; /*変数の宣言,初期化*/ UINT blksz = 256; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ TMO tmout = 3600; /*変数の宣言,初期化*/ ............ ............ /*可変長メモリ・ブロックの獲得(タイムアウト付き)*/ ercd = tget_mpl ( mplid, blksz, &p_blk, tmout ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ /*可変長メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpl ( mplid, p_blk ); } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } else if ( ercd == E_TMOUT ) { ............ /*タイムアウト処理*/ ............ } ............ ............ |
} |
備考1 RI850V4では,可変長メモリ・ブロックの獲得処理を“4の整数倍値”を単位として行います。したがって,パラメータblkszに4の整数倍値以外の値が指定された場合には,4の整数倍値に繰り上げられます。
備考2 RI850V4では,獲得した可変長メモリ・ブロックを管理するために4バイトの領域(管理ブロック)を必要とします。したがって,本サービス・コールを発行した際には,“blksz + 4”バイトの領域が対象可変長メモリ・プールから確保されることになります。
- rel_mpl,irel_mpl
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールにパラメータblkで指定された可変長メモリ・ブロックを返却します。
可変長メモリ・ブロックを返却したあと,対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングされているタスクをキューの先頭から調べていき,待ちタスクが要求するサイズのメモリを割り当てられる場合はメモリを割り当てます。この動作を待ちキューにタスクがなくなるか,メモリが割り当てられなくなるまで繰り返します。これにより,メモリを獲得できたタスクは,待ちキューから外れ,WAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)からREADY状態へ,またはWAITING-SUSPENDED状態からSUSPENDED状態へと遷移します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールにパラメータblkで指定された可変長メモリ・ブロックを返却します。
可変長メモリ・ブロックを返却したあと,対象可変長メモリ・プールの待ちキューにキューイングされているタスクをキューの先頭から調べていき,待ちタスクが要求するサイズのメモリを割り当てられる場合はメモリを割り当てます。この動作を待ちキューにタスクがなくなるか,メモリが割り当てられなくなるまで繰り返します。これにより,メモリを獲得できたタスクは,待ちキューから外れ,WAITING状態(可変長メモリ・ブロック獲得待ち状態)からREADY状態へ,またはWAITING-SUSPENDED状態からSUSPENDED状態へと遷移します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mplid = ID_MPL1; /*変数の宣言,初期化*/ UINT blksz = 256; /*変数の宣言,初期化*/ VP blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ /*可変長メモリ・ブロックの獲得*/ ercd = get_mpl ( mplid, blksz, &blk ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ rel_mpl ( mplid, blk ); /*可変長メモリ・ブロックの返却*/ } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } ............ ............ } |
備考2 可変長メモリ・ブロックを返却する際は,必ず獲得した可変長メモリ・プールに対して本サービス・コールを発行してください。異なる可変長メモリ・プールに対して本サービス・コールを発行してもエラーにはなりませんが,以後の動作は保証されません。
- ref_mpl,iref_mpl
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールの可変長メモリ・プール詳細情報(待ちタスクの有無,空き可変長メモリ・ブロックの合計サイズなど)をパラメータpk_rmplで指定された領域に格納します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmplidで指定された可変長メモリ・プールの可変長メモリ・プール詳細情報(待ちタスクの有無,空き可変長メモリ・ブロックの合計サイズなど)をパラメータpk_rmplで指定された領域に格納します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void task ( VP_INT exinf ) { ID mplid = ID_MPL1; /*変数の宣言,初期化*/ T_RMPL pk_rmpl; /*データ構造体の宣言*/ ID wtskid; /*変数の宣言*/ SIZE fmplsz; /*変数の宣言*/ UINT fblksz; /*変数の宣言*/ ATR mplatr; /*変数の宣言*/ ............ ............ ref_mpl ( mplid, &pk_rmpl ); /*可変定長メモリ・プール詳細情報の参照*/ wtskid = pk_rmpl.wtskid; /*待ちタスクの有無の獲得*/ fmplsz = pk_rmpl.fmplsz; /*空き可変長メモリ・ブロックの合計サイズの獲得*/ fblksz = pk_rmpl.fblksz; /*空き可変長メモリ・ブロックの最大サイズの獲得*/ mplatr = pk_rmpl.mplatr; /*属性の獲得*/ ............ ............ } |