Everything
2.13.1 値の推移をグラフ化する

登録した変数/レジスタ/アドレス等の値と時間の関係を折れ線グラフで表示します。

また,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】の場合では,デバッグ・ツールをデータ収集モードに設定することにより,Smart Analog用に収集したデータをグラフで表示することができます。

グラフ表示は,解析グラフ パネル[値の推移]タブで行います。

なお,表示される各エリアについての詳細は,[値の推移]タブを参照してください。

データ収集モード

選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合のみサポートするデバッグ・ツールの機能です【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】。

デバッグ・ツールをデータ収集モードに設定することにより,プログラム実行時にSmart Analog用のデータを収集します。

このモードは,デバッグ・ツールのプロパティ パネルにおける次の指定により設定されます。

[デバッグ・ツール設定]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[実行中にデータ収集を行う]→[はい]

図 2.26

変数値の推移のグラフ化

注意 1.

デバッグ・ツールが取得したトレース・データ,またはリアルタイムRAMモニタ結果を基にグラフ表示を行います。グラフ表示を行うためには,「(a)トレース機能」/「(b)RRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能」の注意を参照してください。

注意 2.

グラフ・データの取得方法としてリアルタイム・サンプリング方式を指定する場合は,「3.3リアルタイム・サンプリング方式について」を参照してください。

注意 3.

グラフ・データの取得方法としてトレース・データ解析方式を指定する場合は,「3.4トレース・データ解析方式について」を参照してください。

注意 4.

【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】
Smart Analog用に収集したデータをグラフ表示するためには,実行プログラムにデータ収集用のモニタ・プログラムをリンクする必要があります。

備考

カーソル情報エリア,およびチャネル情報エリアは,スプリッタを移動することにより表示領域を変更することができます。また,これらのエリアは,各スプリッタ上の中央のマークをクリックすることにより,表示/非表示を切り替えることができます。

 

グラフ表示の操作手順は,次のとおりです。

(1)

グラフ化対象を登録する

グラフ化する対象を登録します。

 

(a)変数/レジスタ/アドレスの値をグラフ化する場合

(b)Smart Analog 用に収集したデータをグラフ化する場合【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

注意

次の状態の場合,グラフ化対象を登録することはできません(ここでの操作は無効となります)。

-

プログラム実行中の場合

-

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,[ファイルから読み込み]を選択している場合(解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)からグラフを復帰した場合)

(a)

変数/レジスタ/アドレスの値をグラフ化する場合

登録可能なグラフ化対象の種別は次のとおりです。

-

グローバル変数

-

ファイル内スタティック変数

-

関数内スタティック変数

-

クラス変数(C++ソース・ファイルを対象とする場合)

-

CPUレジスタ

-

IOR【RH850】【RX】

-

SFR【RL78】

-

アドレス

 

グラフ化対象の登録方法には,次の3通りがあります。

なお,登録が完了すると,チャネル情報エリアの各チャネル番号に対応した変数名チェック・ボックスに,登録したグラフ化対象名が表示されます。

 

<1>対象を個別に登録する場合(プロパティ パネル上での登録)

<2>対象を個別に登録する場合(他のパネルからの登録)

<3>ウォッチ パネルから反映する場合(自動登録)

注意

グラフ化対象は,1チャネルにつき1個,最大32チャネル(32個)まで登録することができます。ただし,使用するデバッグ・ツール,およびグラフ・データの取得方法により,グラフ化が可能な対象の数,およびサイズに限りがある場合があります(「(2)グラフ・データの取得方法を指定する」参照)。

<1>

対象を個別に登録する場合(プロパティ パネル上での登録)

次のプロパティ パネル[値の推移]タブ上の[チャネル 1~32]カテゴリ内[変数名/アドレス1~32]プロパティにおいて,登録する対象名を直接キーボードより入力します。

図 2.27

[チャネル132]カテゴリ

 

なお,[チャネル 132]カテゴリでは,各対象ごとに,次の詳細条件を指定することができます(「(4)グラフを表示する」参照)。

[型/サイズ132] : 型/サイズ

[1グリッドあたりの値[Val/Div] 132] : グラフにおける単位グリッドあたりの数値

[オフセット132] : グラフにおけるオフセット値

[色132] : グラフの描画色

備考 1.

登録したグラフ化対象を削除する場合は,上記[変数名/アドレス1~32]プロパティの値を空欄にします。

備考 2.

登録したグラフ化対象名は,[値の推移]タブ変数名チェック・ボックスに表示されます。

<2>

対象を個別に登録する場合(他のパネルからの登録)

次のパネル上の対象を,このタブ上のチャネル番号,または変数名チェック・ボックスへ直接ドラッグ・アンド・ドロップします。

-

エディタ パネル

-

CPUレジスタ パネル

-

IOR パネル【RH850】【RX】

-

SFR パネル【RL78】

-

ウォッチ パネル

対象となる変数の種別により,グラフ化対象として表示される名称は次のように異なります。

グローバル変数 : “変数名

ファイル内スタティック変数 : “ファイル名#変数名

関数内スタティック変数 : “ファイル名#関数名#変数名

クラス変数 : “クラス名::変数名

備考 1.

上記のほか,変数一覧 パネル/エディタ パネルでは,コンテキスト・メニューの[解析グラフに登録]を選択することによっても,選択している変数をグラフ化対象として登録することができます。

備考 2.

登録したグラフ化対象を削除する場合は,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[チャネル 1~32]カテゴリ内[変数名/アドレス1~32]プロパティの値を空欄にします。

<3>

ウォッチ パネルから反映する場合(自動登録)

グラフ・コントロール・エリアの[反映]ボタンをクリックすることにより,現在ウォッチ パネル(ウォッチ1)に登録されている上から32個のウォッチ式を,グラフ化対象として自動登録します。

なお,ウォッチ パネル(ウォッチ1)に登録されているウォッチ式が32個未満の場合は,登録されている個数分のみが登録されます。

注意

[反映]ボタンをクリックすると,それまで登録していたグラフ化対象の情報は破棄されます(表示中のグラフをクリアします)。

備考 1.

カテゴリ自体は登録されません。ただし,カテゴリ内の変数などは登録対象となります。

備考 2.

子ノードを持つ変数(配列/構造体など)の場合,構造体のメンバや配列のインデクスなど,展開後の変数などについては登録対象となりません。

備考 3.

すでに登録済みのグラフ化対象と名前が一致する場合,重複して登録されます。

(b)

Smart Analog 用に収集したデータをグラフ化する場合【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

この機能は,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合のみ有効となります。

まず,使用しているデバッグ・ツールをデータ収集モードに設定します。

続いて,次のプロパティ パネル[値の推移]タブ上の[Smart Analog]カテゴリ内[データ収集チャネル]プロパティにおいて,デバイスからデータを受信するチャネル番号を指定します。

ドロップダウン・リスト内において,使用するチャネル番号のチェック・ボックスをすべてチェックしてください(最大8チャネルまで複数選択可)。

注意

[Smart Analog]カテゴリは,デバッグ・ツールがデータ収集モードに設定されている場合のみ表示されます。

図 2.28

[Smart Analog]カテゴリ

 

なお,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[チャネル 132]カテゴリでは,各チャネルごとに,次の詳細条件を指定することができます(「(4)グラフを表示する」参照)。

[変数名/アドレス132] : 変数名チェック・ボックスに表示する文字列

[1グリッドあたりの値[Val/Div] 132] : グラフにおける単位グリッドあたりの数値

[オフセット132] : グラフにおけるオフセット値

[色132] : グラフの描画色

図 2.29

[チャネル132]カテゴリ【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

(2)

グラフ・データの取得方法を指定する

グラフ・データの取得方法を指定します。

グラフ・データの取得方法には次の3通りがあります。プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,目的に応じた取得方法を選択してください。

注意 1.

プログラム実行中にグラフ・データの取得方法を変更することはできません。

注意 2.

グラフ・データの取得方法を変更した場合,それまで保持していたグラフ・データの情報は破棄されます(表示中のグラフをクリアします)。

図 2.30

[解析方式]プロパティ

表 2.13

グラフ・データの取得方法の選択

グラフ・データの取得方法

説明

リアルタイム・サンプリング方式

デバッグ・ツールのRRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能により取得したデータを基にグラフ表示を行います(デフォルト)。

【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

デバッグ・ツールがデータ収集モードに設定されている場合,Smart Analog用のサンプリング方式によりデータ収集を行います。したがって,Smart Analog 用に収集したデータをグラフ化する場合【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】は,この項目を選択してください。

【シミュレータ】

IOR/SFRの推移を表示することはできません。

トレース・データ解析方式

デバッグ・ツールのトレース機能により取得したトレース・データを基にグラフ表示を行います。

なお,この項目は,次のいずれかの場合は非表示となります。

-

デバッグ・ツールがトレース機能をサポートしていない場合

-

デバッグ・ツールがトレース・タイム・タグ機能をサポートしていない場合

-

デバッグ・ツールがデータ収集モードに設定されている場合【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

ファイルから読み込み

保存した解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)を読み込みグラフ表示の復帰を行います(「(6)グラフを復帰するためのグラフ・データを保存する」参照)。

プロパティ パネルにおいて,次のプロパティ設定を行う必要があります。

-

[値の推移]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]]プロパティ

 

グラフ・データの取得方法によるグラフ化の際の相違点は次のとおりです。

表 2.14

グラフ・データの取得方法によるグラフ表示の相違

相違点

リアルタイム・サンプリング方式

トレース・データ解析方式

グラフ表示の可否

デバッグ・ツールが次のいずれかの状態時のみ表示可

-

データ収集モード【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

デバッグ・ツールのトレース機能が有効な状態時のみ表示可

グラフ形式

次のいずれか注1

-

ステップ・プロット折れ線グラフ

-

通常の折れ線グラフ

ステップ・プロット折れ線グラフ(固定)

グラフ化対象の登録

プログラム実行前

トレース・データによる解析のため,実行のタイミングに依存せず

グラフ化可能な対象の数

使用可能な対象領域のサイズに依存注2

ポイント・トレース・イベントを使用する場合,デバッグ・ツールの有効イベント数の制限に依存注3

グラフ化可能な対象サイズ

4バイト以下

-

4バイト以下【RH850】【RX】

-

2バイト以下【RL78】

時間表示範囲

プログラムの実行開始から実行停止までの実行時間(Run-Break時間)

トレース・データとして記録されている時間

時間表示形式

XXXsXXXms

XXXsXXXmsXXXμsXXXns

トリガ機能

あり(「(3)トリガ機能を使用する」参照)

なし

実行中のグラフ更新

不可

値の遷移箇所

指定サンプリング間隔注4に依存するため,正確な時間/変異箇所の特定は不可

実際のタイミングと合致(ポップアップ表示から確認可能)

対象コア

【RH850】

(b)RRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能」参照

(a)トレース機能」参照

注意

3.3リアルタイム・サンプリング方式について」参照

3.4トレース・データ解析方式について」参照

注 1.

プロパティ パネルにおける次の設定に依存します。

-

[値の推移]タブ→[全般]カテゴリ→[グラフの種類]プロパティ

注 2.

【E20(JTAG)【RX600シリーズ】】
RRM機能の対象領域にはサイズ/個数の制限があるため,CS+はこの対象領域を制限内に自動的に決定します。
“RRM機能の対象領域”についての詳細は,使用するマイクロコントローラの「CS+ デバッグ・ツール編」を参照してください。

注 3.

使用するマイクロコントローラ/デバッグ・ツールにより,有効イベント数の制限は異なります。
“有効イベント数の制限”についての詳細は,使用するマイクロコントローラの「CS+ デバッグ・ツール編」を参照してください。

注 4.

- RRM機能/RAMモニタ(疑似RRM)機能を使用する場合

デバッグ・ツールのプロパティ パネル→[デバッグ・ツール設定]タブ→[実行中のメモリ・アクセス]カテゴリ→[表示更新間隔[ms]]プロパティ

- データ収集モードに設定している場合【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

プロパティ パネル[値の推移]タブ→[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]]プロパティ

(3)

トリガ機能を使用する

リアルタイム・サンプリング方式を指定した場合では,指定したトリガ信号によりグラフを表示するタイミングを制御することができます。このトリガ機能を使用することにより,オシロ・スコープと同じ感覚でグラフを表示することができます。

トリガ機能を使用するためには,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[トリガ]カテゴリにおいて,次の設定を行います。

なお,ここで設定した内容は,このタブ上にトリガ情報として一覧表示されます。

注意

プログラム実行中に[トリガ]カテゴリ内のプロパティを変更することはできません。

図 2.31

トリガ機能の設定([トリガ]カテゴリ)

(a)

[トリガ機能を使用する]

トリガ機能を使用するか否かを選択します。

トリガ機能を使用するためには[はい]を選択してくだい(デフォルト:[いいえ])。

(b)

トリガ・モード]

トリガ・モード(グラフの表示更新を行うタイミング)を選択します。

Auto

周期的にリアルタイムでグラフの表示更新を行います(デフォルト)。

トリガ信号が発生すると,トリガ信号直前までのデータをトリガ・ポジションの左側にグラフ化し,トリガ信号直後からのデータをトリガ・ポジションから右側にグラフ化します。

グラフがグラフ領域の最右端まで到達すると,左方向へスクロールを再開してグラフの表示更新を行います。

Single

サンプリング開始から最初のトリガ信号発生時のみグラフの表示更新を行います。

トリガ信号が発生すると,トリガ信号直前までのデータをトリガ・ポジションの左側にグラフ化し,トリガ信号直後からのデータをトリガ・ポジションから右側にグラフ化します。

グラフがグラフ領域の最右端まで到達すると,グラフの表示更新/サンプリングを停止します。

Normal

トリガ信号発生時のみグラフの表示更新を行います。

トリガ信号が発生すると,トリガ信号直前までのデータをトリガ・ポジションの左側にグラフ化し,トリガ信号直後からのデータをトリガ・ポジションから右側にグラフ化します。

グラフがグラフ領域の最右端まで到達すると,グラフの表示更新を停止します。サンプリングは停止しないため,再びトリガ信号が発生するとグラフの表示更新を行います。

[連動]/[手動](プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[サンプリング開始/停止]プロパティ)の指定に依存せず,サンプリングを停止します。

備考

トリガ信号発生によりグラフの表示更新を行っている間をトリガ保留期間とし,保留期間中のトリガ信号発生によるグラフの表示更新は行いません。保留期間中のトリガ信号は,[Auto]/[Single]では無視し,[Normal]では保留期間の解除直後に最新のトリガ信号に対応するグラフの表示更新を行います。

(c)

トリガ・ソース]

トリガ信号の入力として,どの変数(チャネル)を対象とするかを選択します。

ch1~ch32のうちいずれか1つのチャネルを選択します(デフォルト:[ch1])。

(d)

トリガ・レベル]

トリガ信号の発生と判断するためのしきい値を指定します。

[トリガ・ソース]で指定した変数(チャネル)の数値が,ここで指定したしきい値を越えたか否かで,トリガ信号の発生とみなすか否かが決定されます。

トリガ・ソースの最小値”~“トリガ・ソースの最大値”の範囲の10進数/16進数の数値(浮動小数指定可)を直接入力で指定します(デフォルト:[0])。

備考

トリガ・レベルは,グラフの右側にトリガ・マーク( )として表示されます。
なお,このトリガ・マークをマウスによりドラッグすることで,トリガ・レベルの値を変更することができます(プログラム実行中を除く)。

(e)

トリガ・エッジの方向]

[トリガ・レベル]で指定したしきい値に対する方向を選択します。

[トリガ・ソース]で指定した変数(チャネル)の数値が,ここで指定した方向でしきい値を越えたか否かで,トリガ信号の発生とみなすか否かが決定されます。

立ち上がり

[トリガ・ソース]で選択した変数(チャネル)の数値が,[トリガ・レベル]で指定したしきい値未満からしきい値以上に変化した際にトリガ信号を発生します(デフォルト)。

立ち下がり

[トリガ・ソース]で選択した変数(チャネル)の数値が,[トリガ・レベル]で指定したしきい値より大きい値からしきい値以下に変化した際にトリガ信号を発生します。

両方

上記“立ち上がり”/“立ち下がり”のいずれかの条件でトリガ信号を発生します。

(f)

トリガ・ポジション]

トリガ信号が発生した箇所を描画するX軸方向の位置(トリガ信号発生後のデータをグラフ化する位置)を指定します。

次の範囲の10進数値を直接入力により指定します(デフォルト:[0s])。

なお,単位(s,ms,us,ns)を省略した場合は,“ms”として扱います(大文字/小文字不問)。

-

0~“([1グリッドあたりの時間[Time/Div]]プロパティ値)×10”

備考

トリガ・ポジションは,グラフの上側にトリガ・マーク( )として表示されます。
なお,このトリガ・マークをマウスによりドラッグすることで,トリガ・ポジションの値を変更することができます(プログラム実行中を除く)。

(g)

[トリガ・マークの色]

トリガ・レベル,およびトリガ・ポジションを示すトリガ・マーク( )の色を指定します。

色選択用コンボ・ボックスによる指定か,またはキーボードからの直接入力により10進数/16進数(0x付き)の数値,または色名(「色の指定方法について」参照)を指定します(デフォルト:[Color Orange])。

(4)

グラフを表示する

プログラム実行→停止を行ったのち,登録したグラフ化対象に関する最新のグラフが表示されます(デフォルト)。

ただし,該当するデータが取得できない場合は,グラフは表示されません。

なお,グラフが表示更新されるタイミングは次のとおりです。

 

-

リアルタイム・サンプリング方式
プログラム実行中においても,指定されているサンプリング間隔で表示内容が更新されます。
なお,プロパティ パネルにおいて次の設定を行うことにより,このタブ上の[サンプリング]ボタンでサンプリングの開始/停止を手動で制御(トグル)することができます。

-

[値の推移]タブ→[全般]カテゴリ→[サンプリング開始/停止]プロパティ→[手動]

-

トレース・データ解析方式
プログラムの実行が停止するごとに表示内容が更新されます(デフォルト)。
ただし,プロパティ パネル[設定]タブ上の[全般]カテゴリ内[プログラム停止時に更新を行う]プロパティの指定を[はい](デフォルト)以外に変更した場合,プロパティ パネルでの設定に従った表示内容の更新を行います。

【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】
デバッグ・ツールをデータ収集モードで動作させる場合,デバッグ・ツールバーの ボタンをクリックします( ボタン以外の実行系ボタンはすべて無効となります)。
詳細は,「CS+ デバッグ・ツール編」を参照してください。

注意 1.

取得したグラフ・データがバッファ容量(10000プロット分)を越えた場合,新しいグラフ・データを最も古いグラフ・データに上書きしていきます(リング・バッファ方式)。
この場合,グラフの描画が一部空白になります。

注意 2.

リアルタイム・サンプリング方式を選択している場合,グラフ・データの取得に失敗すると,時間情報のみの表示となり,遷移箇所と遷移箇所を結ぶ線は表示されません(「(a)グラフ」参照)。

注意 3.

【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】
一度,デバッグ・ツールをデータ収集モードでプログラム実行させたのち,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[Smart Analog]カテゴリ内[データ収集チャネル]プロパティを変更し,再度データ収集モードでプログラムを実行させた場合,グラフの最初の遷移箇所が不正になる場合があります。

備考

デバッグ・ツールのトレース・メモリ領域には限りがあります。したがって,トレース・データ解析方式によりグラフ・データを取得する場合,より広範囲での値の推移を表示するためには,ウォッチ パネルにおいてグラフ化対象にポイント・トレース・イベントを設定することをお勧めします。

 

このグラフに対して,次の表示設定を行うことができます。

(a)

表示グラフの限定

表示するグラフを限定することができます。

デフォルトでは,グラフ化対象が登録済みのチャネルのグラフはすべて表示されます。

グラフを非表示にする場合は,対応するチャネル番号の変数名チェック・ボックスのチェックを外します。

(b)

グラフ形式の選択

リアルタイム・サンプリング方式を指定した場合,表示するグラフ形式を選択することができます。

グラフ形式の選択は,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[グラフの種類]プロパティにより行います(トレース・データ解析方式を指定している場合は,[ステップ折れ線グラフ]固定となります)。

折れ線グラフ

各プロットを直接線で結びグラフ化します。

ステップ折れ線グラフ

各プロットを垂直線で結びグラフ化します(ステップ・プロット形式)。

図 2.32

グラフ形式

備考

グラフの描画色は,チャネルごとに,同タブ上の[チャネル 132]カテゴリ内[色132]プロパティで変更することができます。

(c)

表示範囲の設定

グラフの表示は,X軸/Y軸に対して10分割のグリッド線を表示して行われます。

<1>

自動調整機能を使用する(デフォルト)

取得したグラフ・データを基にして,X軸に対する単位グリッドあたりの時間(Time/Div),およびY軸に対する単位グリッドあたりの値(Val/Div)とオフセット値を,次のような最適な値に計算してグラフを表示します(デフォルト)。

-

X軸(時間)
グラフの遷移箇所が描画領域(左端~右端)内で,指定された個数分に収まるように自動調整します。

-

Y軸(値)
グラフ・データの最大値/最小値が描画領域の上限/下限となるように自動調整します。

デフォルトで20個が指定されています。この値は,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[自動調整用の遷移箇所の数]プロパティにより変更することができます。

注意 1.

自動調整機能は,トリガ機能を使用する場合,またはデバッグ・ツールをデータ収集モードに設定している場合は無効となります。

注意 2.

次の操作を行うと,自動調整機能は無効となります(プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[自動調整]プロパティが[行わない]に変更されます)。

-

解析グラフ パネル上の[Time/Div][Val/Div]ラベルをダブルクリック

-

マウス操作による表示範囲の変更(「手動で設定する」参照)

備考

自動調整を行うタイミングは,プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[自動調整]プロパティにより指定することができます。

<2>

手動で設定する

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[自動調整]プロパティを[行わない]に設定したのち,次の値を設定します。

-

X軸(時間)

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[1グリッドあたりの時間[Time/Div]]プロパティにより,全チャネルを対象に,単位グリッドあたりの時間(Time/Div)を指定します。

-

Y軸(値)

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[チャネル 1~32]カテゴリ内[1グリッドあたりの値[Val/Div] 132]プロパティ/[オフセット 1~32]プロパティにより,各チャネルごとに,単位グリッドあたりの値(Val/Div)/オフセット値を指定します。

 

また,次のマウス操作によっても,上記の値を変更することができます。
ただし,プログラム実行中は,これらの機能は無効となります。

-

単位グリッドあたりの時間(Time/Div)

-

解析グラフ パネル上の[Time/Div]ラベルをダブルクリックすることにより,X軸に対して自動調整機能による効果と同等の設定値となります。

-

グラフ領域において,[Ctrl]キーを押下しながらマウス・ホイールを前後方に動かします。

-

単位グリッドあたりの値(Val/Div)/オフセット値

-

解析グラフ パネル上の[Val/Div]ラベルをダブルクリックすることにより,Y軸に対して自動調整機能による効果と同等の設定値となります。

-

任意のグラフを選択した状態で(遷移箇所の形状が に変化します),[Ctrl]キーを押下しながらマウス・ホイールを前後方に動かします。

<3>

オフセット値

対象グラフの遷移箇所のいずれかにマウス・カーソルを重ねた状態で(マウス・カーソルの形状が に変化します),[Shift]キーを押下しながらマウスを上下にクリック&ドラッグします。

なお,ドラッグ中に[Esc]キーを押下した場合,オフセット値の変更はキャンセルされます。

(5)

グラフ・データを検証する

表示されたグラフにおいて,必要に応じて次の操作を行うことができます。

注意

プログラム実行中は,この機能は無効となります。

(a)

遷移箇所のポップアップ表示

グラフの遷移箇所の情報を確認します。

グラフの遷移箇所上にマウス・カーソルを重ねることにより,該当箇所の情報がポップアップ表示されます。

ただし,表示される内容は,グラフ・データの取得方法により異なります(「(i)ポップアップ表示」参照)。

図 2.33

遷移箇所のポップアップ表示例

備考

ポップアップ表示内に[場所]情報が表示されている場合,その箇所をダブルクリックすることにより,エディタ パネルで該当箇所を表示することができます(解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)の読み込みにより復帰したグラフの場合を除く)。

(b)

カーソル計測

グラフ上のカーソルA/カーソルBの位置に対する時間/数値を確認します。

X軸(時間),またはY軸 (値)を対象としてカーソル計測を行うことができます。

計測結果は,このタブ上のカーソル情報エリアに一覧表示されます(「(4)カーソル情報エリア」参照)。

操作方法は,まず,カーソル選択ボタン([X軸(Time軸)]/[Y軸 (Val軸)])により計測対象とする軸を選択します。次に,次の操作により,カーソルA/カーソルBを任意の位置へ表示/設定します(カーソルはデフォルトで非表示です)。

カーソル

設定(表示)

設定解除(非表示)

カーソルA

[Ctrl]キー + クリック

[Ctrl]キー + ダブルクリック

カーソルB

[Ctrl]キー + 右クリック

[Ctrl]キー + 右ボタンのダブルクリック

備考

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[カーソルAの色]/[カーソルBの色]プロパティにより,各カーソルの色を指定することができます。

(c)

ズーム表示

グラフ上の任意の箇所をズーム表示します。

グラフ・コントロール・エリアのズーム14チェック・ボックスをチェックすることにより(複数選択可),チェックした番号に対応した値の推移(ズーム) パネルをオープンし,指定した範囲をズーム表示することができます(値の推移(ズーム) パネルは最大4個までオープンすることができます)。

図 2.34

ズーム表示

 

ズーム表示範囲の設定は,[ズーム]コンボ・ボックスにおいて表示対象となる値の推移(ズーム) パネルの番号を選択したのち,ズーム表示したい領域をマウスでクリック&ドラッグすることで行います。この時グラフ上に表示されるドラッグ領域を示すズーム枠が表示されている限り,同動作でズーム表示範囲は再設定されます。

ドラッグ中に[Esc]キーを押下した場合,ズーム範囲の設定はキャンセルされます。また,設定した範囲を解除するには,グラフ領域内のいずれか(遷移箇所を除く)をダブルクリックします。

なお,ズーム表示の内容についての詳細は,値の推移(ズーム) パネルを参照してください。

図 2.35

ズーム表示(値の推移(ズーム) パネル)

備考 1.

ズーム表示範囲の設定は,4個の値の推移(ズーム) パネルに対して,それぞれ個別に行うことができます。

備考 2.

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[ズーム枠14の色]プロパティにより,各ズーム枠の色を指定することができます。

(6)

グラフを復帰するためのグラフ・データを保存する

現在表示しているグラフを解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)に保存したのち,そのファイルを読み込むことで,グラフを復帰(再表示)させることができます。

操作手順は次のとおりです。

(a)

グラフ・データを保存する

-

[値の推移]タブ上のグラフの場合
保存したいグラフが表示されている状態で,[ファイル]メニュー→[名前を付けて 解析グラフ・データ を保存...]を選択し,名前を付けて保存 ダイアログをオープンします。
このダイアログにおいて,[ファイルの種類]エリアにおいて“解析グラフ・データ(*.mtac)”を選択,および[ファイル名]エリアにおいて任意のファイル名(拡張子は“mtac”に限ります)を指定したのち,[保存]ボタンをクリックします。

-

値の推移(ズーム) パネル上のグラフの場合
保存したいグラフが表示されている状態で,[保存]ボタンを選択し,名前を付けて保存 ダイアログをオープンします。
このダイアログにおいて,[ファイルの種類]エリアにおいて“解析グラフ・データ(*.mtac)”を選択,および[ファイル名]エリアにおいて任意のファイル名(*.mtac)を指定したのち,[保存]ボタンをクリックします。
ただし,値の推移(ズーム) パネルで保存したグラフ・データは,ズーム表示した範囲のみに限られます。

(b)

グラフ・データを読み込む

プロパティ パネル[値の推移]タブ上の[全般]カテゴリ内[解析方式]プロパティにおいて,[ファイルから読み込み]を選択します(「(2)グラフ・データの取得方法を指定する」参照)。

続いて,同カテゴリ内[解析グラフ・データ・ファイル]プロパティにおいて,先に保存した解析グラフ・データ・ファイル(*.mtac)を指定します。相対パスによる指定の場合は,プロジェクト・フォルダを基点として指定してください。

図 2.36

グラフ・データの読み込み([全般]カテゴリ)

 

なお,この際に保存/復帰の対象となるデータは,次のとおりです。

【チャネルごとのグラフ・データ】

内容

復帰先

数値

グラフ表示エリア,およびチャネル情報エリア

時間

グラフの表示/非表示

 

【プロパティ パネルの[値の推移]タブ上のプロパティ値】

内容

復帰先

単位グリッドあたりの時間

[全般]カテゴリ→[1グリッドあたりの時間[Time/Div]]

各チャネルに登録された変数名

[チャネル132]カテゴリ→[変数名/アドレス132

チャネルごとの型/サイズ

[チャネル132]カテゴリ→[型/サイズ132

チャネルごとの単位グリッドあたりの数値

[チャネル132]カテゴリ→[1グリッドあたりの値[Val/Div]132

チャネルごとのオフセット値

[チャネル132]カテゴリ→[オフセット132

サンプリング間隔

【E1/E2/E2 Lite/E20/COM Port【RL78】】

[Smart Analog]カテゴリ→[サンプリング間隔[ms]]

ただし,選択しているマイクロコントローラがSmart Analog IC搭載品の場合で,デバッグ・ツールをデータ収集モードでグラフ・データを取得した場合のみが保存の対象となります。

注意

グラフの表示/非表示にかかわらず,グラフ・データが存在しないチャネルについては保存の対象外となります。この場合,当該チャネルに対応するプロパティのデフォルト値が適用されます。

備考

グラフの復帰以外の目的のグラフ・データの保存についての詳細は,「2.14解析情報をファイルに保存する」を参照してください。