第6章 メモリ・プール管理機能
- .kernel_const/.kernel_const_fセクション
動的に変化することのないOS資源に関する初期情報が,システム情報テーブルや割り込み情報定義ファイルとして割り付けられる領域です。
動的に変化することのないOS資源に関する初期情報が,システム情報テーブルや割り込み情報定義ファイルとして割り付けられる領域です。
- 静的な生成
固定長メモリ・プールの静的な生成は,システム・コンフィギュレーション・ファイルに固定長メモリ・プール情報を定義することにより実現されます。
RI78V4では,カーネル初期化部において,情報ファイルに格納されているデータをもとに固定長メモリ・プールの生成処理を実行し,管理対象とします。
固定長メモリ・プールの静的な生成は,システム・コンフィギュレーション・ファイルに固定長メモリ・プール情報を定義することにより実現されます。
RI78V4では,カーネル初期化部において,情報ファイルに格納されているデータをもとに固定長メモリ・プールの生成処理を実行し,管理対象とします。
- get_mpf
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,自タスクを対象固定長メモリ・プールの待ちキューにメモリ・ブロックの獲得要求順(FIFO順)でキューイングします。
これにより,自タスクは,レディ・キューから外れ,RUNNING状態からWAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)へと遷移します。
なお,メモリ・ブロック待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,メモリ・ブロック待ち状態からREADY状態へと遷移します。
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,自タスクを対象固定長メモリ・プールの待ちキューにメモリ・ブロックの獲得要求順(FIFO順)でキューイングします。
これにより,自タスクは,レディ・キューから外れ,RUNNING状態からWAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)へと遷移します。
なお,メモリ・ブロック待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,メモリ・ブロック待ち状態からREADY状態へと遷移します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void func_task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mpfid = ID_mpfA; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ /*メモリ・ブロックの獲得(永久待ち)*/ ercd = get_mpf ( mpfid, &p_blk ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ /*メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpf ( mpfid, p_blk ); } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } ............ ............ } |
- pget_mpf
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,戻り値として“E_TMOUT”が返されます。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,戻り値として“E_TMOUT”が返されます。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ func_task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mpfid = ID_mpfA; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ /*メモリ・ブロックの獲得(ポーリング)*/ ercd = pget_mpf ( mpfid, &p_blk ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*ポーリング成功処理*/ ............ /*メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpf ( mpfid, p_blk ); } else if ( ercd == E_TMOUT ) { ............ /*ポーリング失敗処理*/ ............ } ............ ............ } |
- tget_mpf
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,自タスクを対象固定長メモリ・プールの待ちキューにメモリ・ブロックの獲得要求順(FIFO順)でキューイングします。
これにより,自タスクは,レディ・キューから外れ,RUNNING状態からWAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)へと遷移します。
なお,メモリ・ブロック待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,メモリ・ブロック待ち状態からREADY状態へと遷移します。
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得し,その先頭アドレスをパラメータp_blkで指定された領域に格納します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールからメモリ・ブロックを獲得することができなかった(空きメモリ・ブロックが存在しなかった)場合には,メモリ・ブロックの獲得処理は実行されず,自タスクを対象固定長メモリ・プールの待ちキューにメモリ・ブロックの獲得要求順(FIFO順)でキューイングします。
これにより,自タスクは,レディ・キューから外れ,RUNNING状態からWAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)へと遷移します。
なお,メモリ・ブロック待ち状態の解除は,以下の場合に行われ,メモリ・ブロック待ち状態からREADY状態へと遷移します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void func_task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mpfid = ID_mpfA; /*変数の宣言,初期化*/ VP p_blk; /*変数の宣言*/ TMO tmout = 3600; /*変数の宣言,初期化*/ ............ ............ /*メモリ・ブロックの獲得(タイムアウト付き)*/ ercd = tget_mpf ( mpfid, &p_blk, tmout ); if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ /*メモリ・ブロックの返却*/ rel_mpf ( mpfid, p_blk ); } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } else if ( ercd == E_TMOUT ) { ............ /*タイムアウト処理*/ ............ } ............ ............ } |
- rel_mpf
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールにパラメータblkで指定されたメモリ・ブロックを返却します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールの待ちキューにタスクがキューイングされていた場合には,メモリ・ブロックの返却処理は実行されず,該当タスク(待ちキューの先頭タスク)にメモリ・ブロックが渡されます。
これにより,該当タスクは,待ちキューから外れ,WAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)からREADY状態へ,またはWAITING-SUSPENDED状態からSUSPENDED状態へと遷移します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールにパラメータblkで指定されたメモリ・ブロックを返却します。
ただし,本サービス・コールを発行した際,対象固定長メモリ・プールの待ちキューにタスクがキューイングされていた場合には,メモリ・ブロックの返却処理は実行されず,該当タスク(待ちキューの先頭タスク)にメモリ・ブロックが渡されます。
これにより,該当タスクは,待ちキューから外れ,WAITING状態(メモリ・ブロック待ち状態)からREADY状態へ,またはWAITING-SUSPENDED状態からSUSPENDED状態へと遷移します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void func_task ( VP_INT exinf ) { ER ercd; /*変数の宣言*/ ID mpfid = ID_mpfA; /*変数の宣言,初期化*/ VP blk; /*変数の宣言*/ ............ ............ ercd = get_mpf ( mpfid, &blk ); /*メモリ・ブロックの獲得*/ if ( ercd == E_OK ) { ............ /*正常終了処理*/ ............ rel_mpf ( mpfid, blk ); /*メモリ・ブロックの返却*/ } else if ( ercd == E_RLWAI ) { ............ /*強制終了処理*/ ............ } ............ ............ } |
- ref_mpf
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールの固定長メモリ・プール状態情報(待ちタスクの有無など)をパラメータpk_rmpfで指定された領域に格納します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
パラメータmpfidで指定された固定長メモリ・プールの固定長メモリ・プール状態情報(待ちタスクの有無など)をパラメータpk_rmpfで指定された領域に格納します。
以下に,本サービス・コールの記述例を示します。
#include <kernel.h> /*標準ヘッダ・ファイルの定義*/ #include <kernel_id.h> /*システム情報ヘッダ・ファイルの定義*/ void func_task ( VP_INT exinf ) { ID mpfid = ID_mpfA; /*変数の宣言,初期化*/ T_RMPF pk_rmpf; /*データ構造体の宣言*/ ID wtskid; /*変数の宣言*/ UINT fblkcnt; /*変数の宣言*/ ............ ............ ref_mpf ( mpfid, &pk_rmpf ); /*固定長メモリ・プールの状態参照*/ wtskid = pk_rmpf.wtskid; /*待ちタスクの有無の獲得*/ fblkcnt = pk_rmpf.fblkcnt; /*空きメモリ・ブロックの総数の獲得*/ ............ ............ } |