2.12 情報ファイルをインポート/エクスポートする

アクティブ・プロジェクト以外で定義され,かつアクティブ・プロジェクトから一度も参照されていない関数/変数は,関数一覧 パネル変数一覧 パネルでその情報が表示されません。

この場合,表示したい関数/変数の情報を記録した情報ファイルをインポートすることにより,これらの情報を強制的に表示することができます。

情報ファイルには次の種類があります。

表 2.9

情報ファイルの種類

情報ファイル名

内容

関数一覧ファイル(*.mtfl)

関数一覧 パネルにおける次の項目の情報を記録します。

[関数名]/[クラス名]【CC-RX】/[名前空間]【CC-RX】/[ファイル名]/[ファイル・パス]/[PM情報]【RH850】/[アクセス指定子]【CC-RX】/[属性]/[戻り値の型]/[引数の数]/[引数]/[コード・サイズ[バイト]]

変数一覧ファイル(*.mtvl)

変数一覧 パネルにおける次の項目の情報を記録します。

[変数名]/[クラス名]【CC-RX】/[名前空間]【CC-RX】/[ファイル名]/[関数名]/[ファイル・パス]/[PM情報]【RH850】/[アクセス指定子]【CC-RX】/[属性]/[型]/[メンバ]/[サイズ[バイト]]

選択しているマイクロコントローラが,マルチコア対応版の場合のみ対象となる項目です。

 

次の手順により操作を行ってください。

(1)

情報ファイルを生成(エクスポート)する

(a)

手動でエクスポートを行う場合

インポートする必要のある関数/変数についてのみの情報ファイルを生成します。

操作は,まず,対象となる関数/変数が定義されているプロジェクトをアクティブ・プロジェクトに変更したのち,関数一覧 パネル変数一覧 パネルに必要な情報を表示させます。

次に,同パネルにおいて,必要となる対象関数/変数のすべての表示行を選択したのち([Shift]キー/[Ctrl]キーを押下しながら表示行を選択することにより複数行の選択可),[ファイル]メニュー→[名前を付けて 関数一覧データ を保存]/[名前を付けて 変数一覧データ を保存]を選択し,名前を付けて保存 ダイアログをオープンします。

図 2.20

情報ファイルの生成(関数一覧ファイルを生成する場合の例)

 

上記ダイアログの[保存する場所]エリアにおいて,生成する情報ファイルを格納する任意のフォルダを選択したのち,[ファイルの種類]エリアのドロップダウン・リストにより,“関数一覧ファイル(*.mtfl)”または“変数一覧ファイル(*.mtvl))”を選択します。

次に,[ファイル名]エリアにおいて,生成する情報ファイル名を入力します(拡張子は,関数一覧ファイルの場合は“mtfl”,変数一覧ファイルの場合は“mtvl”に限ります)。

[保存]ボタンをクリックすることにより,指定したフォルダに指定したファイル名で情報ファイルが生成されます。

備考

指定したアクティブ・プロジェクト以外で定義されている関数/変数についての情報ファイルも必要な場合は,同様の操作により,別途エクスポートを行ってください。

(b)

自動でエクスポートを行う場合

ビルド・ツールによるビルド/リビルドを実行するごとに,関数一覧 パネル変数一覧 パネルで表示されるすべての関数/変数についての情報ファイルを自動的に生成します。

操作は,プロパティ パネル[設定]タブ上の[インポート/エクスポート]カテゴリ内[ビルド時にエクスポートする]プロパティを[はい]に指定したのち,同カテゴリ内の[関数用エクスポート・ファイル名]/[変数用エクスポート・ファイル名]プロパティにおいて,生成する情報ファイル名を指定します(拡張子は,関数一覧ファイルの場合は“mtfl”,変数一覧ファイルの場合は“mtvl”に限ります)。

相対パスによる指定の場合は,プロジェクト・フォルダを基点として指定してください。

図 2.21

[インポート/エクスポート]カテゴリ

 

以上の設定により,情報ファイルの自動エクスポートの設定は完了です。

ビルド/リビルドを実行するごとに,指定したフォルダに指定したファイル名で情報ファイルが自動的に生成されます。

注意

エクスポートの対象となるのは,現在のアクティブ・プロジェクトのみです。

備考

[関数用エクスポート・ファイル名]/[変数用エクスポート・ファイル名]プロパティでは,次のプレースフォルダに対応しています。
- %ProjectName% : プロジェクト名に置換します。
- %ActiveProjectName% : アクティブ・プロジェクト名に置換します。

(2)

情報ファイルをインポートする

生成(エクスポート)した情報ファイルをインポートする設定を行います。

操作は,プロパティ パネル[設定]タブ上の[インポート/エクスポート]カテゴリ内[インポート・ファイル]プロパティで行います。[インポート・ファイル]プロパティを選択すると表示される[...]ボタンをクリックすると,次のパス編集 ダイアログがオープンします。

図 2.22

[インポート/エクスポート]カテゴリ内[インポート・ファイル]プロパティ

図 2.23

インポート・ファイル名の設定(パス編集 ダイアログ)

 

パス編集 ダイアログの[パス(1行につき1つのパス)]エリアにおいて,(1)において生成した情報ファイル名のすべてを1行に1つずつ,パスを含めて指定します(1行に259文字/64行まで指定可)。相対パスによる指定の場合は,プロジェクト・フォルダを基点として指定してください。

 

また,情報ファイルの指定は,[参照...]ボタンから情報ファイルを指定することもできます。

インポートするすべてのファイル名の入力が完了したのち,[OK]ボタンをクリックすると,指定したパスが[インポート・ファイル]プロパティのサブプロパティとして表示されます。

図 2.24

[インポート・ファイル]プロパティ(インポート・ファイル追加後)

 

以上の設定により,情報ファイルのインポートの設定は完了です。

備考 1.

パス編集 ダイアログでは,次のプレースフォルダに対応しています。
- %ProjectName% : プロジェクト名に置換します。
- %MicomToolPath% : CS+のインストール・フォルダの絶対パスに置換します。

備考 2.

CubeSuiteでエクスポートした情報ファイル(CubeSuite 関数一覧ファイル(*.csfl)/CubeSuite 変数一覧ファイル(*.csvl))をインポートすることができます。

備考 3.

インポート・ファイルとアクティブ・プロジェクト内に同名の関数/変数が存在する場合は,次の決定規則に従います。

-

Cソース・ファイルの場合

-

ファイル名が異なり,かつインポート・ファイル側の属性に“static”(小文字のみ)が含まれている場合は,スタティック関数/スタティック変数とみなし,異なる関数情報/変数情報として取り込みます。

-

ファイル名が同名で関数名が異なり,かつインポート・ファイル側の属性に“static”(小文字のみ)が含まれている場合は,関数内スタティック変数とみなし,異なる変数情報として取り込みます。

-

上記以外の関数/変数については,グローバル関数/グローバル変数,または同一ファイル内の同名スタティック関数/スタティック変数とみなし,同一の関数情報/変数情報としてマージして取り込みます。

-

C++ソース・ファイルの場合【CC-RX】

-

[クラス名],[名前空間],[ファイル名],および[引数]を比較して,1つでも一致していない場合,異なる関数情報として取り込みます。

-

[クラス名],[名前空間],[関数名],[ファイル名],および[引数]を比較して,1つでも一致していない場合,異なる変数情報として取り込みます。

-

上記以外の関数/変数については,同一の関数情報/変数情報としてマージして取り込みます。


なお,同一の関数情報/変数情報としてマージする場合の決定規則は次のとおりです。

項目

規則

関数情報

変数情報

[クラス名]【CC-RX】

[名前空間]【CC-RX】

[ファイル名]

[ファイル・パス]

[PM情報]【RH850】

[引数の数]

[引数]

[戻り値の型]

[アクセス指定子]【CC-RX】

[属性]

[クラス名]【CC-RX】

[名前空間]【CC-RX】

[ファイル名]

[関数名]

[ファイル・パス]

[PM情報]【RH850】

[アクセス指定子]【CC-RX】

[属性]

[型]

[メンバ]

次の優先順位に従います。

“アクティブ・プロジェクトの値”>“インポート・ファイルの値”

ただし,複数のインポート・ファイルにマージ対象となる関数情報/変数情報が存在する場合は,最後にインポートされたファイルの関数情報/変数情報を取り込みます。

なお,アクティブ・プロジェクト内/インポート・ファイル内のどちらにも値が存在しない場合は空欄(“-”)となります。

[コード・サイズ[バイト]]

 

[サイズ]

次の優先順位に従います。

“インポート・ファイルの値”>“アクティブ・プロジェクトの値”

ただし,複数のインポート・ファイルにマージ対象となる関数情報/変数情報が存在する場合は,最後にインポートされたファイルの関数情報/変数情報を取り込みます。

なお,アクティブ・プロジェクト内/インポート・ファイル内のどちらにも値が存在しない場合は空欄(“-”)となります。

選択しているマイクロコントローラが,マルチコア対応版の場合のみ表示される項目です。

(3)

情報ファイルのインポートを中止する

情報ファイルのインポートを中止する場合は,パス編集 ダイアログにおいて,指定したインポート・ファイルを消去してください。