5.6.6 データタイプ

整数、浮動小数点数、ビット、ストリングの4種類のデータを扱うことができます。

(1)

整数

整数には、符号付きと、符号なしがあります。符号付き整数の負の値は、2の補数で表現します。

図 5.3

整数データ

 

(2)

浮動小数点数

浮動小数点数は、IEEE754で規定されている単精度浮動小数点数に対応しています。浮動小数点数は、浮動小数点演算命令FADD、FCMP、FDIV、FMUL、FSUB、FTOI、ITOF、ROUNDの8種類の命令で使用できます。

浮動小数点数は、以下の数値に対応しています。

0 < E < 255(正規化数- Normal Numbers)

E = 0かつF = 0(ゼロ- Signed Zero)

E = 0かつF > 0(非正規化数- Subnormal Numbers)(注)

E = 255かつF = 0(無限大- Infinity)

E = 255かつF > 0(非数- NaN : Not a Number)

FPSWのDNビットが“1”のときは、0として扱います。DNビットが“0”のときは、非実装処理が発生します。

図 5.4

浮動小数点数データ

 

(3)

ビット

ビットは、ビット操作命令BCLR、BMCnd 、BNOT、BSET、BTSTの5種類の命令で使用できます。

レジスタのビットは、対象とするレジスタと、31〜0のビット番号で指定します。

メモリのビットは、対象とするアドレスと、7〜0のビット番号で指定します。アドレス指定に使用できるアドレッシングモードは、レジスタ間接、レジスタ相対の2種類です。

図 5.5

レジスタのビット指定

 

-

メモリのビット

(4)

ストリング

ストリングとは、バイト(8ビット)、ワード(16ビット)、またはロングワード(32ビット)のデータを任意の数だけ連続して並べたデータタイプです。ストリングは、ストリング操作命令SCMPU、SMOVB、SMOVF、SMOVU、SSTR、SUNTIL、SWHILEの7種類の命令で使用できます。

図 5.6

ストリングデータ