2.5.3 リンク・オプション

ここでは,リンク・フェーズのオプションについて説明します。

 

オプションに関する注意事項を以下に示します。

-

オプションの大文字/小文字は区別しません。

-

オプション,およびパラメータの大文字は,短縮形の指定が可能であることを表しています。
大文字以降の文字の指定は任意です。

-FOrm=Absoluteの場合,例えば以下のように指定することも可能です。
-fo=a
-fo=abs
-for=absolu


 

-

パラメータとしてファイル名を指定する場合,“(”,および“)”を使用することはできません。

-

ccrlコマンドに対して,リンク・オプションを指定する場合は,-lnkoptオプションを使用する必要があります。

 

オプションの分類と説明を以下に示します。

表 2.8

リンク・オプション

分類

オプション

説明

入力制御

-Input

入力ファイルを指定します。

-LIBrary

入力ライブラリ・ファイルを指定します。

-Binary

入力バイナリ・ファイルを指定します。

-DEFine

未定義シンボルを強制定義します。

-ENTry

実行開始アドレスを指定します。

出力制御

-FOrm

出力形式を指定します。

-DEBug

出力ファイル中にデバッグ情報を出力します。

-NODEBug

デバッグ情報を出力しません。

-RECord

出力するデータ・レコードのサイズを指定します。

-END_RECORD 【V1.05以降】

エンドレコードを指定します。

-ROm

ROMからRAMへマップするセクションを指定します。

-OUtput

出力ファイルを指定します。

-SPace

出力範囲のメモリの空き領域を充てんします。

-Message

インフォメーション・メッセージを出力します。

-NOMessage

インフォメーション・メッセージの出力を抑止します。

-MSg_unused

参照されない外部定義シンボルをユーザに通知します。

-BYte_count

データ・レコードのバイト数の最大値を指定します。

-PADDING

セクションの終端にデータを埋め込みます。

-CRc

CRC演算を行うかどうかを指定します。

-VECT

ベクタテーブル・アドレスの空き領域にアドレスを設定します。

-VECTN

特定ベクタテーブル・アドレスの領域にアドレスを設定します。

-VFINFO

変数/関数情報ファイルを出力します。

リスト出力

-LISt

リスト・ファイルを出力します。

-SHow

リスト・ファイルへの出力情報を指定します。

最適化

-Optimize

モジュール間最適化の実行有無を指定します。

-NOOptimize

モジュール間最適化を行いません。

-SEction_forbid

特定セクションの最適化を抑止します。

-Absolute_forbid

アドレス+サイズの範囲の最適化を抑止します。

-SYmbol_forbid 【V1.02 以降】

未参照シンボル削除の抑止シンボルを指定します。

セクション指定

-STARt

セクションの開始アドレスを指定します。

-FSymbol

外部定義シンボルをシンボル・アドレス・ファイルに出力します。

-USER_OPT_BYTE

ユーザ・オプション・バイトに設定する値を指定します。

-OCDBG

オンチップ・デバッグ制御値に設定する値を指定します。

-SECURITY_ID

セキュリティID値を指定します。

-AUTO_SECTION_LAYOUT

セクションを自動配置します。

-DEBUG_MONITOR

OCDモニタ領域を指定します。

-RRM

RRM/DMM機能用ワーク領域を指定します。

-SELF

セルフRAM領域にセクションを配置しません。

-SELFW

セルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。

-OCDTR

トレースRAMとセルフRAM領域にセクションを配置しません。

-OCDTRW

トレースRAMとセルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。

-OCDHPI

ホット・プラグインRAM,トレースRAM,およびセルフRAM領域にセクションを配置しません。

-OCDHPIW

ホット・プラグインRAM,トレースRAM,およびセルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。

ベリファイ指定

-CPu

セクションの割り付けアドレスの整合性をチェックします。

-CHECK_64K_ONLY

セクションが(64K-1)バイト境界をまたいで配置されるかをチェックしません。

-NO_CHECK_SECTION_LAYOUT

セクションの割り付けアドレスがデバイス・ファイルの情報と整合するかをチェックしません。

-CHECK_DEVICE

オブジェクト・ファイルの作成時に指定したデバイス・ファイルのチェックを行います。

サブコマンド・ファイル指定

-SUbcommand

オプションをサブコマンド・ファイルで指定します。

マイコン指定

-DEVICE

デバイス・ファイル名を指定します。

その他

-S9

S9レコードを終端に出力します。

-STACk

スタック情報ファイルを出力します。

-COmpress

デバッグ情報を圧縮します。

-NOCOmpress

デバッグ情報を圧縮しません。

-MEMory

リンク時に使用するメモリ量を指定します。

-REName

外部シンボル名,セクション名を変更します。

-DELete

外部シンボル名,またはライブラリ・モジュールを削除します。

-REPlace

ライブラリ・モジュールを置換します。

-EXTract

ライブラリ・モジュールを抽出します。

-STRip

ロード・モジュール・ファイル,ライブラリ・ファイルのデバッグ情報を削除します。

-CHange_message

インフォメーション,ワーニング,エラーのメッセージ種別を変更します。

-Hide

出力ファイル内のローカル・シンボル名情報を消去します。

-Total_size

リンク後の合計セクション・サイズを標準エラー出力に表示します。

-LOgo

コピーライトを出力します。

-NOLOgo

コピーライトの出力を抑止します。

-END

本オプションより前に指定したオプション列を実行します。

-EXIt

オプション指定の終了を指定します。