not


論理否定(1の補数をとる)を行います。(Not)

[指定形式]

-

not reg1, reg2

-

not imm, reg2

 

immに指定できるものを次に示します。

-

32ビット幅までの値を持つ絶対値式

-

相対値式

[機能]

-

“not reg1, reg2”の形式

第1オペランドに指定したレジスタ値の論理否定(1の補数)をとり,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。

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“not imm, reg2”の形式

第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の値の論理否定(1の補数)をとり,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。

[詳細説明]

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“not reg1, reg2”の形式の命令に対し,アセンブラでは,機械語命令のnot命令が1つ生成されます。

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“not imm, reg2”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは,命令展開が行われ,1つ,または複数個の機械語命令が生成されます。

(a)

0

not     0, reg
not     r0, reg

(b)

0以外の-16〜+15の範囲の絶対値式

not     imm5, reg
mov     imm5, r1
not     r1, reg

(c)

-16〜+15の範囲を越え,-32768〜+32767の範囲の絶対値式

not     imm16, reg
movea   imm16, r0, r1
not     r1, reg

(d)

immに-32768〜+32767の範囲を越える絶対値式

immの値の下位16ビットがすべて0の場合

not     imm, reg
movhi   HIGHW(imm), r0, r1
not     r1, reg

 

上記以外の場合

not     imm, reg
mov     imm, r1
not     r1, reg

(e)

!label,または%labelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式

not     !label, reg
movea   !label, r0, r1
not     r1, reg
not     %label, reg
movea   %label, r0, r1
not     r1, reg
not     $label, reg
movea   $label, r0, r1
not     r1, reg

(f)

#label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持たないラベルの$labelを持つ相対値式

not     #label, reg
mov     #label, r1
not     r1, reg
not     label, reg
mov     label, r1
not     r1, reg
not     $label, reg
mov     $label, r1
not     r1, reg

機械語命令のnot命令は,オペランドにイミーディエトをとりません。

[フラグ]

CY

OV

0

S

演算結果のワード・データのMSBが1の場合1,そうでない場合0

Z

結果が0になった場合1,そうでない場合0

SAT