開発ツール

cre_mpl

acre_mpl

概要

可変長メモリ・プールの生成

C言語形式

 ER      cre_mpl ( ID mplid, T_CMPL *pk_cmpl );

 ER_ID   acre_mpl ( T_CMPL *pk_cmpl );

パラメータ


I/O	パラメータ	説明
I	ID mplid;	可変長メモリ・プールのID
I	T_CMPL *pk_cmpl;	可変長メモリ・プール生成情報を格納した領域へのポインタ

【可変長メモリ・プール生成情報T_CMPLの構造】

typedef struct t_cmpl { ATR mplatr; /可変長メモリ・プール属性/ SIZE mplsz; /可変長メモリ・プール領域のサイズ（バイト数）/ VP mpl; /可変長メモリ・プール領域の先頭アドレス/ UINT maxblksz; /最大メモリ・ブロック・サイズ（バイト数）/ } T_CMPL;

 typedef struct  t_cmpl {

         ATR     mplatr;         /*可変長メモリ・プール属性*/

         SIZE    mplsz;          /*可変長メモリ・プール領域のサイズ（バイト数）*/

         VP      mpl;            /*可変長メモリ・プール領域の先頭アドレス*/

         UINT    maxblksz;       /*最大メモリ・ブロック・サイズ（バイト数）*/

 } T_CMPL;

機能

本サービス・コールは，信頼されたドメインに所属するタスクからのみ呼び出せます。

cre_mplは，指定されたmplidの可変長メモリ・プールをpk_cmplで指定された内容で生成します。acre_mplはpk_cmplで指定された内容で可変長メモリ・プールを生成し，生成した可変長メモリ・プールIDを返します。

1 ) 可変長メモリ・プール属性（mplatr）
mplatrにはTA_TFIFOのみを指定できます。

- TA_TFIFO（= 0x0000）
可変長メモリ・プールの待ちキューの順序をFIFO順とします。

2 ) 可変長メモリ・プール領域のサイズ（mplsz），可変長メモリ・プール領域の先頭アドレス（mpl）
アプリケーション側で，mplszバイトの可変長メモリ・プール領域を確保し，その先頭アドレスをmplに指定します。
mplは4バイト境界でなければなりません。

備考1 RI600PXは，可変長メモリ・プール領域に関するアクセス権については何も関知しません。タスクが可変長メモリ・プールから獲得したメモリ・ブロックにアクセスするには，可変長メモリ・プール領域は適切にアクセス許可が設定されたメモリ・オブジェクト内に確保する必要があります。
また，RI600PXは可変長メモリ・プール領域内に管理テーブルを生成します。この管理テーブルがアプリケーションによって書き換えられた場合，システムの正常な動作は保証されません。

備考2 μITRON4.0仕様には，mplにNULLを指定することでRI600PXが可変長メモリ・プール領域を割り当てる機能がありますが，本サービス・コールはこの機能をサポートしていません。

備考3 獲得するメモリ・ブロックのアライメント数は，4です。

3 ) 最大メモリ・ブロック・サイズ（maxblksz）
maxblkszにはメモリ・ブロックの最大サイズを指定します。実際に獲得可能メモリ・ブロックの最大サイズは，maxblkszより大きくなることがあります。詳細は，「9.3.1　可変長メモリ・ブロックのサイズ」を参照してください。

戻り値


マクロ	数値	意味
－	正の値	acre_mplの正常終了（生成された可変長メモリ・プールID）
E_OK	0	cre_mplの正常終了
E_RSATR	-11	予約属性 - mplatr != TA_TFIFO
E_PAR	-17	パラメータ・エラー - pk_cmpl == NULL - mplsz < 24，mplsz > VTMAX_AREASIZE - maxblksz == 0，maxblksz > 0x0BFFFFF4 - maxblkszに対してmplszが小さすぎる。 - mpl + mplsz > 0x100000000 - mplが4バイト境界でない
E_ID	-18	不正ID番号（cre_mplのみ） - mplid≦0 - mplid > VTMAX_MPL
E_CTX	-25	コンテキスト・エラー - CPUロック状態から本サービス・コールを発行した。 - 非タスクから本サービス・コールを発行した。 - 「PSW.IPL > カーネル割り込みマスクレベル」の状態から本サービス・コールを発行した。
E_MACV	-26	メモリ・アクセス違反 - スタック・ポインタが呼出しタスクのユーザ・スタック領域の範囲外を指している。 - 呼び出しタスクからのpk_cmplが示す領域に対するオペランド・リード・アクセス許可がない。
E_OACV	-27	オブジェクト・アクセス違反 - 呼出しタスクは，信頼されたドメインに所属していない。
E_NOMEM	-33	メモリ不足 - mpl == NULL
E_NOID	-34	空きIDなし（acre_mplのみ）
E_OBJ	-41	オブジェクト状態不正（cre_mplのみ） - mplidの可変長メモリ・プールが存在する。