ここでは,リンク・フェーズのオプションについて説明します。
オプションに関する注意事項を以下に示します。
-
オプションの大文字/小文字は区別しません。
オプション,およびパラメータの大文字は,短縮形の指定が可能であることを表しています。 大文字以降の文字の指定は任意です。
例
-FOrm=Absoluteの場合,例えば以下のように指定することも可能です。 -fo=a -fo=abs -for=absolu
パラメータとしてファイル名を指定する場合,“(”,および“)”を使用することはできません。
ccrhコマンドに対して,リンク・オプションを指定する場合は,-Xlk_optionオプションを使用する必要があります。
オプションの分類と説明を以下に示します。
表 2.4
リンク・オプション
分類
オプション
説明
入力制御
-Input
入力ファイルを指定します。
-LIBrary
入力ライブラリ・ファイルを指定します。
-Binary
入力バイナリ・ファイルを指定します。
-DEFine
未定義シンボルを強制定義します。
-ENTry
実行開始アドレスを指定します。
-ALLOW_DUPLICATE_MODULE_NAME 【V2.02.00以降】
複数の同じモジュール名の指定を許可します。
出力制御
-FOrm
出力形式を指定します。
-DEBug
出力ファイル中にデバッグ情報を出力します。
-NODEBug
デバッグ情報を出力しません。
-RECord
出力するデータ・レコードのサイズを指定します。
-END_RECORD 【V1.06.00以降】
エンドレコードを指定します。
-ROm
ROMからRAMへマップするセクションを指定します。
-OUtput
出力ファイルを指定します。
-MAp
外部シンボル割り付け情報ファイルを出力します。
-SPace
出力範囲のメモリの空き領域を充てんします。
-Message
インフォメーション・メッセージを出力します。
-NOMessage
インフォメーション・メッセージの出力を抑止します。
-MSg_unused
参照されない外部定義シンボルをユーザに通知します。
-BYte_count
データ・レコードのバイト数の最大値を指定します。
-FIX_RECORD_LENGTH_AND_ALIGN 【V1.07.00以降】
データ・レコードの出力フォーマットを固定します。
-PADDING
セクションの終端にデータを埋め込みます。
-OVERRUN_FETCH
オーバーラン・フェッチに伴う未初期化領域の読み出しを回避します。
-RESERVE_PREFETCH_AREA【V2.04.01以降】
プリフェッチの可能性がある領域にセクションを生成して確保します。
-CRc
CRCコードを出力します。
-CFI 【Professional版のみ】 【V1.07.00以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストを生成します。
-CFI_ADD_Func 【Professional版のみ】 【V1.07.00以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストに追加する関数シンボルまたはアドレスを指定します。
-CFI_IGNORE_Module 【Professional版のみ】 【V1.07.00以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストから除外するモジュールを指定します。
リスト出力
-LISt
リスト・ファイルを出力します。
-SHow
リスト・ファイルへの出力情報を指定します。
最適化
-OPtimize / -NOOPtimize 【V2.01.00以降】
リンク時最適化の実行有無を指定します。
-SEction_forbid 【V2.01.00以降】
特定セクションの,リンク時最適化を抑止します。
-Absolute_forbid 【V2.01.00以降】
特定アドレス範囲内の,リンク時最適化を抑止します。
-SYmbol_forbid 【V2.01.00以降】
特定シンボルの,リンク時最適化を抑止します。
-ALLOW_OPTIMIZE_ENTRY_BLOCK【V2.06.00以降】
実行開始シンボルより前に配置されている領域を最適化の対象にします。
セクション指定
-STARt
セクションの開始アドレスを指定します。
-FSymbol
外部定義シンボルをシンボル・アドレス・ファイルに出力します。
-ALIGNED_SECTION
セクションのアライメント数を16バイトに変更します。
ベリファイ指定
-CPu
セクションの割り付けアドレスの整合性をチェックします。
サブコマンド・ファイル指定
-SUbcommand
オプションをサブコマンド・ファイルで指定します。
その他
-S9
S9レコードを終端に出力します。
-STACk
スタック情報ファイルを出力します。
-COmpress
デバッグ情報を圧縮します。
-NOCOmpress
デバッグ情報を圧縮しません。
-MEMory
リンク時に使用するメモリ量を指定します。
-REName
外部シンボル名,セクション名を変更します。
-LIB_REName 【V2.01.00以降】
ライブラリから入力されたシンボル名,セクション名を変更します。
-DELete
外部シンボル名,またはライブラリ・モジュールを削除します。
-REPlace
ライブラリ・モジュールを置換します。
-EXTract
ライブラリ・モジュールを抽出します。
-STRip
ロード・モジュール・ファイル,ライブラリ・ファイルのデバッグ情報を削除します。
-CHange_message
インフォメーション,ワーニング,エラーのメッセージ種別を変更します。
-Hide
出力ファイル内のローカル・シンボル名情報を消去します。
-Total_size
リンク後の合計セクション・サイズを標準エラー出力に表示します。
-VERBOSE 【V2.03.00 以降】
詳細情報を標準エラー出力に表示します。
-LOgo
コピーライトを出力します。
-NOLOgo
コピーライトの出力を抑止します。
-END
本オプションより前に指定したオプション列を実行します。
-EXIt
オプション指定の終了を指定します。