ここでは,リンク・フェーズのオプションについて説明します。
オプションに関する注意事項を以下に示します。
-
オプションの大文字/小文字は区別しません。
オプション,およびパラメータの大文字は,短縮形の指定が可能であることを表しています。 大文字以降の文字の指定は任意です。
例
-FOrm=Absoluteの場合,例えば以下のように指定することも可能です。 -fo=a -fo=abs -for=absolu
パラメータとしてファイル名を指定する場合,“(”,および“)”を使用することはできません。
ccrlコマンドに対して,リンク・オプションを指定する場合は,-lnkoptオプションを使用する必要があります。
オプションの分類と説明を以下に示します。
表 2.8
リンク・オプション
分類
オプション
説明
入力制御
-Input
入力ファイルを指定します。
-LIBrary
入力ライブラリ・ファイルを指定します。
-Binary
入力バイナリ・ファイルを指定します。
-DEFine
未定義シンボルを強制定義します。
-ENTry
実行開始アドレスを指定します。
-ALLOW_DUPLICATE_MODULE_NAME 【V1.09以降】
複数の同じモジュール名の指定を許可します。
出力制御
-FOrm
出力形式を指定します。
-DEBug
出力ファイル中にデバッグ情報を出力します。
-NODEBug
デバッグ情報を出力しません。
-RECord
出力するデータ・レコードのサイズを指定します。
-END_RECORD 【V1.05以降】
エンドレコードを指定します。
-ROm
ROMからRAMへマップするセクションを指定します。
-OUtput
出力ファイルを指定します。
-SPace
出力範囲のメモリの空き領域を充てんします。
-Message
インフォメーション・メッセージを出力します。
-NOMessage
インフォメーション・メッセージの出力を抑止します。
-MSg_unused
参照されない外部定義シンボルをユーザに通知します。
-BYte_count
データ・レコードのバイト数の最大値を指定します。
-FIX_RECORD_LENGTH_AND_ALIGN【V1.06以降】
データ・レコードの出力フォーマットを固定します。
-PADDING
セクションの終端にデータを埋め込みます。
-CRc
CRC演算を行うかどうかを指定します。
-VECT
ベクタテーブル・アドレスの空き領域にアドレスを設定します。
-VECTN
特定ベクタテーブル・アドレスの領域にアドレスを設定します。
-SPLIT_VECT 【V1.07以降】
ベクタテーブル・セクションを分割して生成します。
-VFINFO
変数/関数情報ファイルを出力します。
-CFI【Professional版のみ】【V1.06以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストを生成します。
-CFI_ADD_Func【Professional版のみ】【V1.06以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストに追加する関数シンボルまたはアドレスを指定します。
-CFI_IGNORE_Module【Professional版のみ】【V1.06以降】
不正な間接関数呼び出し検出で用いる関数リストから除外するモジュールを指定します。
-RAM_INIT_TABLE_SECTION【V1.12以降】
RAM初期化のための情報テーブルを生成します。
リスト出力
-LISt
リスト・ファイルを出力します。
-SHow
リスト・ファイルへの出力情報を指定します。
最適化
-Optimize
モジュール間最適化の実行有無を指定します。
-NOOptimize
モジュール間最適化を行いません。
-SEction_forbid
特定セクションの最適化を抑止します。
-Absolute_forbid
アドレス+サイズの範囲の最適化を抑止します。
-SYmbol_forbid 【V1.02 以降】
未参照シンボル削除の抑止シンボルを指定します。
-ALLOW_OPTIMIZE_ENTRY_BLOCK【V1.13以降】
実行開始シンボルより前に配置されている領域を最適化の対象にします。
セクション指定
-STARt
セクションの開始アドレスを指定します。
-FSymbol
外部定義シンボルをシンボル・アドレス・ファイルに出力します。
-USER_OPT_BYTE
ユーザ・オプション・バイトに設定する値を指定します。
-OCDBG
オンチップ・デバッグ制御値に設定する値を指定します。
-SECURITY_OPT_BYTE【V1.12以降】
セキュリティ・オプション・バイト制御値に設定する値を指定します。
-SECURITY_ID
セキュリティID値を指定します。
-FLASH_SECURITY_ID【V1.12以降】
フラッシュ・プログラマ・セキュリティID値に設定する値を指定します。
-AUTO_SECTION_LAYOUT
セクションを自動配置します。
-SPLIT_SECTION【V1.12以降】
セクションの自動配置で配置単位をモジュール別のセクション単位で行います。
-STRIDE_DSP_MEMORY_AREA【V1.12以降】
自動配置のセクション割り付けは,FLEXIBLE APPLICATION ACCELERATOR (FAA) と共用するメモリ領域で分断した領域に分けて配置します。
-DEBUG_MONITOR
OCDモニタ領域を指定します。
-RRM
RRM/DMM機能用ワーク領域を指定します。
-SELF
セルフRAM領域にセクションを配置しません。
-SELFW
セルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。
-OCDTR
トレースRAMとセルフRAM領域にセクションを配置しません。
-OCDTRW
トレースRAMとセルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。
-OCDHPI
ホット・プラグインRAM,トレースRAM,およびセルフRAM領域にセクションを配置しません。
-OCDHPIW
ホット・プラグインRAM,トレースRAM,およびセルフRAM領域にセクションを配置した場合は警告を出力します。
-DSP_MEMORY_AREA【V1.12以降】
FLEXIBLE APPLICATION ACCELERATOR (FAA) と共用するメモリ領域にセクションを配置しません。
ベリファイ指定
-CPu
セクションの割り付けアドレスの整合性をチェックします。
-CHECK_DEVICE
オブジェクト・ファイルの作成時に指定したデバイス・ファイルのチェックを行います。
-CHECK_64K_ONLY
セクションが(64K-1)バイト境界をまたいで配置されるかをチェックしません。
-NO_CHECK_SECTION_LAYOUT
セクションの割り付けアドレスがデバイス・ファイルの情報と整合するかをチェックしません。
-CHECK_OUTPUT_ROM_AREA 【V1.07以降】
ヘキサ・ファイルの出力アドレス範囲が,内部ROMまたはデータフラッシュにあることをチェックします。
サブコマンド・ファイル指定
-SUbcommand
オプションをサブコマンド・ファイルで指定します。
マイコン指定
-DEVICE
デバイス・ファイル名を指定します。
その他
-S9
S9レコードを終端に出力します。
-STACk
スタック情報ファイルを出力します。
-COmpress
デバッグ情報を圧縮します。
-NOCOmpress
デバッグ情報を圧縮しません。
-MEMory
リンク時に使用するメモリ量を指定します。
-REName
外部シンボル名,セクション名を変更します。
-LIB_REName 【V1.08以降】
ライブラリから入力されたシンボルやセクションの名前を変更します。
-DELete
外部シンボル名,またはライブラリ・モジュールを削除します。
-REPlace
ライブラリ・モジュールを置換します。
-EXTract
ライブラリ・モジュールを抽出します。
-STRip
ロード・モジュール・ファイル,ライブラリ・ファイルのデバッグ情報を削除します。
-CHange_message
インフォメーション,ワーニング,エラーのメッセージ種別を変更します。
-Hide
出力ファイル内のローカル・シンボル名情報を消去します。
-Total_size
リンク後の合計セクション・サイズを標準エラー出力に表示します。
-VERBOSE 【V1.10 以降】
詳細情報を標準エラー出力に表示します。
-LOgo
コピーライトを出力します。
-NOLOgo
コピーライトの出力を抑止します。
-END
本オプションより前に指定したオプション列を実行します。
-EXIt
オプション指定の終了を指定します。