メモリを割り当てます。
[所属]
標準ライブラリ
[指定形式]
#include <stdlib.h>
void __near * __far malloc(size_t size);
[戻り値]
領域の割り付けに成功した場合,その領域へのポインタを返します。
sizeが0の場合,あるいは領域を割り付けられない場合はnullポインタを返します。
[詳細説明]
大きさがsizeの領域を割り当てます。領域は初期化されません。
【Professional版のみ】 【V1.03以降】
セキュリティ機能用malloc系ライブラリを使用する場合,次の操作を行った場合に__heap_chk_fail関数を呼び出します。
- | calloc,malloc,reallocで割り付けた領域以外のポインタをfree,reallocに渡す。 |
- | freeで開放した後のポインタを再度free,reallocに渡す。 |
- | calloc,malloc,reallocで割り当てた領域の外側(前後各2バイト)に何らかの値を書き込んだ後,割り当てた領域を指すポインタをfree,reallocに渡す。 |
__heap_chk_fail関数はユーザが定義する必要があり,動的メモリ管理の異常時に実行する処理を記述します。
__heap_chk_fail関数を定義する際には,次の項目に注意してください。
- | __heap_chk_fail関数は,返却値および引数の型がvoid型のfar関数とします。
void __far __heap_chk_fail(void); |
- | __heap_chk_fail関数は,static関数にしないでください。 |
- | __heap_chk_fail関数内で再帰的にヒープ・メモリ領域の破壊を検出しないでください。 |
セキュリティ機能用のcalloc,malloc,およびreallocは,領域外への書き込みを検出するために前後各2バイト余分に領域を割り当てます。このため,通常より多くヒープ・メモリ領域を消費します。
[注意事項]
ヒープ・メモリ領域のデフォルト・サイズは0x100バイトです。
ヒープ・メモリ領域を変更する場合は,配列_REL_sysheapを定義し,配列のサイズを変数_REL_sizeof_sysheapに設定してください。
【ヒープ・メモリ領域設定例】
#include <stddef.h>
#define SIZEOF_HEAP 0x200
char _REL_sysheap[SIZEOF_HEAP];
size_t _REL_sizeof_sysheap = SIZEOF_HEAP;
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備考 | 配列_REL_sysheapは,偶数番地に配置してください。 |