19.9 イベントフラグ情報(flag[])
ここでは,各イベントフラグを定義します。

形式

< >内は,ユーザが記述する部分を示します。

 flag[ <1. ID番号> ] {
     name            = <2. ID名称(name)>;
     initial_pattern = <3. 初期ビット・パターン(initial_pattern)>;
     wait_multi      = <4. 複数待ちの許可属性(wait_multi)>;
     clear_attribute = <5. クリア属性(clear_attribute)>;
     wait_queue      = <6. 待ちキュー属性(wait_queue)>;
 };


1 ) ID番号

- 説明
イベントフラグID番号を定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
1〜255


- 省略時の扱い
cfg600がID番号を自動的に割り当てます。


- 備考
ID番号は,1から漏れなく付与される必要があります。つまり,ID番号を指定する場合は,その値は定義するオブジェクト数以下でなければなりません。


2 ) ID名称(name

- 説明
ID名称を定義します。指定されたID名称は,システム情報ヘッダ・ファイル(kernel_id.h)に以下の形式で出力されます。


 #define <ID名称>   <ID番号>
- 定義形式
シンボル


- 定義範囲



- 省略時の扱い
省略不可


3 ) 初期ビット・パターン(initial_pattern

- 説明
イベントフラグの初期ビット・パターンを定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
0〜0xFFFFFFFF


- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時は0)を適用


4 ) 複数待ちの許可属性(wait_multi

- 説明
複数タスク待ちの許可に関する属性を定義します。


- 定義形式
シンボル


- 定義範囲
以下のいずれか。


TA_WSGL: 複数タスクの待ちを許可しない

TA_WMUL: 複数タスクの待ちを許可する

- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時はTA_WSGL)を適用


5 ) クリア属性(clear_attribute

- 説明
イベントフラグのクリア属性(TA_CLR)を定義します。


- 定義形式
シンボル


- 定義範囲
以下のいずれか。


NO: TA_CLR属性を指定しない

YES: TA_CLR属性を指定する

- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時はNO)を適用


6 ) 待ちキュー属性(wait_queue

- 説明
待ちキューの属性を定義します。


- 定義形式
シンボル


- 定義範囲
以下のいずれか。
ただし,TA_CLR属性が指定されていない場合(clear_attribute = NO)は,TA_TPRIを指定した場合でも,待ちキューはFIFO順に管理されます。この振る舞いは,μITRON4.0仕様の範囲外です。



TA_TFIFO: FIFO順

TA_TPRI: タスクの現在優先度順
ただし,同じ現在優先度のタスクの中ではFIFO順


- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時はTA_TFIFO)を適用