20.5 system.contextの注意事項
ここでは,system.contextに関する注意事項を説明します。
system.contextに設定すべき値は,FPU,DSPをどのように扱うかによって異なります。
以降では,以下の各ケースについて,system.contextの推奨値を示します。推奨以外の設定にした場合は,推奨設定に比べてわずかにRI600PXの性能が悪化します。
備考 コンパイラが浮動小数点演算命令を出力するのは,-cpu=rx600かつ-fpuオプション指定時のみです。
アセンブラで“chkfpu”オプションを指定すると,浮動小数点演算命令の記述をWarningとして検出します。
また,コンパイラがDSP機能命令を出力することはありません。
アセンブラで“chkdsp”オプションを指定すると,DSP機能命令の記述をWarningとして検出します。
1 ) FPUおよびDSP(アキュムレータ)を搭載したMCUを使用する場合
表20−3 FPUおよびDSP(アキュムレータ)を搭載したMCUを使用する場合
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“FPSW”を含む設定が必須で,かつ“ACC”を含まない設定を推奨
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“ACC”を含む設定が必須で,かつ“FPSW”を含まない設定を推奨
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1 ) FPUを搭載せず,かつDSP(アキュムレータ)を搭載するMCUを使用する場合
表20−4 FPUを搭載せず,かつDSP(アキュムレータ)を搭載するMCUを使用する場合
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(FPUを搭載しないMCUのため,浮動小数点演算命令は使用できません)
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“FPSW”を含まず,かつ“ACC”を含む設定が必須
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“FPSW”を含まない設定が必須で,かつ“ACC”を含まない設定を推奨
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2 ) FPUを搭載し,かつDSP(アキュムレータ)を搭載しないMCUを使用する場合
表20−5 FPUを搭載し,かつDSP(アキュムレータ)を搭載しないMCUを使用する場合
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(DSPを搭載しないMCUのため,DSP機能命令は使用できません)
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“FPSW”を含み,かつ“ACC”を含まない設定が必須
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(DSPを搭載しないMCUのため,DSP機能命令は使用できません)
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“ACC”を含まない設定が必須で,かつ“FPSW”を含まない設定を推奨
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3 ) FPUもDSP(アキュムレータ)も搭載しないMCUを使用する場合
表20−6 FPUもDSP(アキュムレータ)も搭載しないMCUを使用する場合
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(FPUおよびDSPを搭載しないMCUのため,浮動小数点演算命令およびDSP機能命令は使用できません)
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20.5.2 コンパイラのメfint_registerモ,メbaseモ,およびメpidモオプションとの関係
system.contextに,“MIN”を含む指定を行うことで,RI600PXはR8〜R13をタスク・コンテキストとして保存しないようになり,高速化が図れるようになっています。
system.contextにこれらの設定をしても良いケースは,コンパイラの“fint_register”,“base”,および“pid”オプションでR8〜R13をすべて使用する指定をした場合のみです。
その他の場合でsystem.contextに前述の設定をした場合,RI600PXは正常に動作しません。
例1:-fint_register=4 -base=rom=R8 -base=ram=R9
例2:-fint_register=3 -base=rom=R8 -base=ram=R9 -base=0x80000=R10
例3:“-fint_register”, “-base”, “-pid”の指定なし
例4:-fint_register=4
例5:-base=rom=R8 -base=ram=R9