20.10 タスク情報(task[])
ここでは,各タスクを定義します。

形式

< >内は,ユーザが記述する部分を示します。

 task[ <1. ID番号> ] {
     name          = <2. ID名称(name)>;
     entry_address = <3. タスクの開始アドレス(entry_adderess)>;
     stack_size    = <4. ユーザ・スタック・サイズ(stack_size)>;
     stack_section = <5. ユーザ・スタック領域に付与するセクション名(stack_secion)>;
     priority      = <6. 起動時優先度(priority)>;
     initial_start = <7. TA_ACT属性(initial_start)>;
     exinf         = <8. 拡張情報(exinf)>;
     texrtn        = <9. タスク例外処理ルーチンの開始アドレス(texrtn)>;
     domain_num    = <10. 所属ドメインID(domain_num)>;
 };


1 ) ID番号

- 説明
タスクID番号を定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
1〜255


- 省略時の扱い
cfg600pxがID番号を自動的に割り当てます。


2 ) ID名称(name

- 説明
ID名称を定義します。指定されたID名称は,システム情報ヘッダ・ファイル(kernel_id.h)に以下の形式で出力されます。


 #define <ID名称>   <ID番号>
- 定義形式
シンボル


- 定義範囲



- 省略時の扱い
省略不可


3 ) タスクの開始アドレス(entry_adderess

- 説明
タスクの実行開始関数を定義します。


- 定義形式
関数名


- 定義範囲



- 省略時の扱い
省略不可


4 ) ユーザ・スタック・サイズ(stack_size

- 説明
ユーザ・スタック・サイズを定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
以下に示す値以上の16の倍数


表20−8  ユーザ・スタック・サイズの下限値

system.context設定

コンパイラ・オプション“-isa”

下限値

NO



68

FPSW



72

ACC

“-isa=rxv2”

92

“-isa=rxv1”またはオプション“-isa”の指定なし

76

FPSW,ACC

“-isa=rxv2”

96

“-isa=rxv1”またはオプション“-isa”の指定なし

80

MIN



44

MIN,FPSW



48

MIN,ACC

“-isa=rxv2”

68

“-isa=rxv1”またはオプション“-isa”の指定なし

52

MIN,FPSW,ACC

“-isa=rxv2”

72

“-isa=rxv1”またはオプション“-isa”の指定なし

56



備考 コンパイラ・オプション“-isa”は,コンパイラ CC-RX V2.01以降でサポートされています。

- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時は256)を適用


5 ) ユーザ・スタック領域に付与するセクション名(stack_secion

- 説明
ユーザ・スタック領域に付与するセクション名を定義します。
cfg600pxは,stack_secionで指定されたセクションにstack_sizeで指定されたサイズのユーザ・スタック領域を生成します。このセクションのセクション属性は“DATA”,アライメント数は4です。リンク時には,このセクションをRAM領域に配置してください。ただし,0番地に配置してはなりません。
また,このセクションは16バイト境界アドレスに配置する必要があるため,リンク時に“aligned_section”リンカ・オプションを指定してください。




- 定義形式
シンボル


- 定義範囲



- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時はSURI_STACK)を適用


6 ) 起動時優先度(priority

- 説明
タスクの起動時の優先度を定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
1〜システム情報(system)タスク優先度の最大値(priority)


- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時は1)を適用


7 ) TA_ACT属性(initial_start

- 説明
タスクの初期状態を定義します。


- 定義形式
シンボル


- 定義範囲
以下のいずれか。


ON: TA_ACT属性を指定する(初期状態をREADY状態とする)

OFF: TA_ACT属性を指定しない(初期状態をDORMANT状態とする)

- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時はOFF)を適用


8 ) 拡張情報(exinf

- 説明
タスクの拡張情報を定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
0〜0xFFFFFFFF


- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時は0)を適用


- 備考
タスクがTA_ACT属性,act_tskまたはiact_tskによって起動された場合,タスクに拡張情報が渡されます。


9 ) タスク例外処理ルーチンの開始アドレス(texrtn

- 説明
タスク例外処理ルーチンの実行開始関数を定義します。タスク例外処理ルーチンを定義しない場合は,本定義を行わないでください。


- 定義形式
関数名


- 定義範囲



- 省略時の扱い
タスク例外処理ルーチンは定義されません。


10 ) 所属ドメインID(domain_num

- 説明
タスクが所属するドメインIDを定義します。


- 定義形式
数値


- 定義範囲
1〜15


- 省略時の扱い
デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの設定値(出荷時は1)を適用