第20章  システム・コンフィギュレーション・ファイル


本章では,RI600PXに提供するデータを保持した情報ファイルを生成する際に必要となるシステム・コンフィギュレーション・ファイルの記述方法について解説しています。

20.1 概  要

以下に,システム・コンフィギュレーション・ファイルの表記方法を示します。

- コメント
“//” (連続する2個のスラッシュ)から行末までの部分がコメントとして扱われます。


- 数値
数値は,以下の形式で入力できます。ただし,0xFFFFFFFFを超える数値を指定してはなりません。


16進数: 数値の先頭に“0x”か“0X”を付加します。または,数値の最後に'h'か'H'を付加します。後者の場合でかつ先頭が英文字 (A〜F)で始まる場合は先頭に必ず'0'を付加してください。なおここで使用する数値表現で英文字 (A〜F)は大文字・小文字を識別しません。

10進数: “23”のように整数のみで表します。ただし'0'で始めることはできません。

8進数: 数値の先頭に'0'を付加するか数値の最後に'O'もしくは'o'を付加します。

2進数: 数値の最後に'B'または'b'を付加します。ただし'0'で始めることはできません。

- 演算子
数値に対して,以下の演算子を使用できます。


表20−1  演算子

演算子

優先度

演算方向

()



左から右

-(単項マイナス)

右から左

*,/,%

左から右

+,-(二項マイナス)



左から右



- シンボル
シンボルは数字,英大文字,英小文字,’_'(アンダースコア)より構成され,数字以外の文字で始まる文字列で表されます。


- 関数名
関数名は,数字,英大文字,英小文字,'_' (アンダースコア),'$'(ドル記号)より構成される数字以外の文字で始まり,“()”で終わる文字列で表されます。
アセンブリ言語で記述したモジュールを指定する場合は,その先頭ラベルを’_’で始まるように命名し,’_’を除いたものを関数名として指定してください。



- 周波数
周波数は,数字と’.’(ピリオド) から構成され“MHz”で終わる文字列で表されます。小数点以下は6桁が有効です。なお周波数は10進数のみで記述可能です。


20.2 デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイル

多くの定義項目では,ユーザが記述を省略した場合にデフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルの内容が補われます。デフォルト・システム・コンフィギュレーション・ファイルは,環境変数LIB600で指定されるフォルダにあるdefault.cfgです。なお,このファイルを編集してはなりません。

20.3 コンフィギュレーション情報(静的API)

システム・コンフィギュレーション・ファイルに記述するデータ(コンフィギュレーション情報)は,以下の通りです。

- システム情報(system)

- 基本クロック割り込み情報(clock)

- 最大ID(maxdefine)

- ドメイン定義(domain)

- メモリ・オブジェクト定義(memory_object[])

- タスク情報(task[])

- セマフォ情報(semaphore[])

- イベントフラグ情報(flag[])

- データ・キュー情報(dataqueue[])

- メールボックス情報(mailbox[])

- ミューテックス情報(mutex[])

- メッセージ・バッファ情報(message_buffer[])

- 固定長メモリ・プール情報(memorypool[])

- 可変長メモリ・プール情報(variable_memorypool[])

- 周期ハンドラ情報(cyclic_hand[])

- アラーム・ハンドラ情報(alarm_hand[])

- 可変ベクタ情報(interrupt_vector[])

- 固定ベクタ/例外ベクタ情報(interrupt_fvector[])