mulu


符号なし乗算(ワード)を行います。(Multiply Word Unsigned)

[指定形式]

-

mulu reg1, reg2, reg3

-

mulu imm, reg2, reg3

 

immに指定可能なものを以下に示します。

-

32ビット幅までの値を持つ絶対値式

-

相対値式

[機能]

-

“mulu reg1, reg2, reg3”の形式

第1オペランドに指定したレジスタ値と,第2オペランドに指定したレジスタ値を,符号なしの値として乗算し,結果の下位32ビットを第2オペランドに指定したレジスタに,上位32ビットを第3オペランドに指定したレジスタに格納します。第2オペランドと第3オペランドが同じレジスタの場合,レジスタには結果の上位32ビットを格納します。

-

“mulu imm, reg2, reg3”の形式

第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の値と,第2オペランドに指定したレジスタの値を,符号なしの値として乗算し,結果の下位32ビットを第2オペランドに指定したレジスタに,上位32ビットを第3オペランドに指定したレジスタに格納します。第2オペランドと第3オペランドが同じレジスタの場合,レジスタには結果の上位32ビットを格納します。

[詳細説明]

-

“mulu reg1, reg2, reg3”の形式の命令に対し,アセンブラでは,機械語命令のmulu命令が1つ生成されます。

-

“mulu imm, reg2, reg3”の形式でimmに0 〜 511の範囲の絶対値式を指定した場合,アセンブラでは,機械語命令のmul命令が1つ生成されます。

mulu    imm9, reg2, reg3
mulu    imm9, reg2, reg3

-

“mul reg1, reg2, reg3”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは命令展開が行われ,複数個の機械語命令が生成されます。

(a)

-16〜-1の範囲の絶対値式

mulu    imm5, reg2, reg3
mov     imm5, r1
mulu    r1, reg2, reg3

(b)

-16〜511の範囲を越え,-32768〜+32767の範囲の絶対値式

mulu    imm16, reg2, reg3
movea   imm16, r0, r1
mulu    r1, reg2, reg3

(c)

-32768〜+32767の範囲を越える絶対値式

immの値の下位16ビットがすべて0の場合

mulu    imm, reg2, reg3
movhi   HIGHW(imm), r0, r1
mulu    r1, reg2, reg3

 

上記以外の場合

mulu    imm, reg2, reg3
mov     imm, r1
mulu    r1, reg2, reg3

(d)

!label,または%labelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式

mulu    !label, reg2, reg3
movea   !label, r0, r1
mulu    r1, reg2, reg3
mulu    %label, reg2, reg3
movea   %label, r0, r1
mulu    r1, reg2, reg3
mulu    $label, reg2, reg3
movea   $label, r0, r1
mulu    r1, reg2, reg3

(e)

#label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持たないラベルの$labelを持つ相対値式

mulu    #label, reg2, reg3
mov     #label, r1
mulu    r1, reg2, reg3
mulu    label, reg2, reg3
mov     label, r1
mulu    r1, reg2, reg3
mulu    $label, reg2, reg3
mov     $label, r1
mulu    r1, reg2, reg3

[フラグ]

CY

OV

S

Z

SAT