符号付き乗算(ハーフワード)を行います。(Multiply Half-word)
[指定形式]
immに指定可能なものを以下に示します。
注 | アセンブラでは,16ビットを越えるかどうかチェックは行われません。生成された機械語命令mulh命令では,下位16ビットを用いて演算が行われます。 |
[機能]
第1オペランドに指定したレジスタの下位ハーフワード・データの値と,第2オペランドに指定したレジスタの下位ハーフワード・データの値を,符号付きの値として乗算し,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。
第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の下位ハーフワード・データの値と,第2オペランドに指定したレジスタの下位ハーフワード・データの値を,符号付きの値として乗算し,結果を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。
[詳細説明]
- | “mulh reg1, reg2”の形式の命令に対し,アセンブラでは,機械語命令のmulh命令が1つ生成されます。 |
- | “mulh imm, reg2”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは,機械語命令のmulh命令注が1つ生成されます。 |
mulh imm5, reg
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mulh imm5, reg
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注 | 機械語命令のmulh命令は,第1オペランドにレジスタ,または-16〜+15(0xFFFFFFF0〜0xF)の範囲のイミーディエトをとります。 |
- | “mulh imm, reg2”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは,命令展開が行われ,1つ,または複数個の機械語命令が生成されます。 |
(a) | -16〜+15の範囲を越え,-32768〜+32767の範囲の絶対値式 |
mulh imm16, reg
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mulhi imm16, reg, reg
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(b) | -32768〜+32767の範囲を越える絶対値式 |
immの値の下位16ビットがすべて0の場合
mulh imm, reg
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movhi HIGHW(imm), r0, r1
mulh r1, reg
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上記以外の場合
mulh imm, reg
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mov imm, r1
mulh r1, reg
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(c) | !label,または%labelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式 |
mulh !label, reg
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mulhi !label, reg, reg
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mulh %label, reg
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mulhi %label, reg, reg
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mulh $label, reg
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mulhi $label, reg, reg
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(d) | #label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持たないラベルの$labelを持つ相対値式 |
mulh #label, reg
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mov #label, r1
mulh r1, reg
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mulh label, reg
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mov label, r1
mulh r1, reg
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mulh $label, reg
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mov $label, r1
mulh r1, reg
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[フラグ]
[注意事項]
- | 第2オペランドにr0を指定すると,次のメッセージが出力され,アセンブルが中止されます。 |
E0550240 : RH850コア指定時には、デスティネーション・オペランドにr0を指定することはできません。
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