符号付き除算(ハーフワード)を行います。(Divide Half-word)
[指定形式]
immに指定可能なものを以下に示します。
注 | アセンブラでは,16ビットを越えるかどうかのチェックは行われません。生成された機械語命令では,下位16ビットを用いて演算が行われます。 |
[機能]
第2オペランドに指定したレジスタ値を,第1オペランドに指定したレジスタの下位ハーフワード・データの値で符号付きの値として除算し,商を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。
第2オペランドに指定したレジスタ値を,第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の下位ハーフワード・データの値で符号付きの値として除算し,商を第2オペランドに指定したレジスタに格納します。
- | “divh reg1, reg2, reg3”の形式 |
第2オペランドに指定したレジスタ値を,第1オペランドに指定したレジスタの下位ハーフワード・データの値で符号付きの値として除算し,商を第2オペランドに指定したレジスタに,剰余を第3オペランドに指定したレジスタに格納します。第2オペランドと第3オペランドが同じレジスタの場合,レジスタには剰余を格納します。
- | “divh imm, reg2, reg3”の形式 |
第2オペランドに指定したレジスタ値を,第1オペランドに指定した絶対値式,または相対値式の下位ハーフワード・データの値で符号付きの値として除算し,商を第2オペランドに指定したレジスタに,剰余を第3オペランドに指定したレジスタに格納します。第2オペランドと第3オペランドが同じレジスタの場合,レジスタには剰余を格納します。
[詳細説明]
- | “divh reg1, reg2”,および“divh reg1, reg2, reg3”の形式の命令に対し,アセンブラでは,機械語命令のdivh命令が1つ生成されます。 |
- | “divh imm, reg2”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは,命令展開が行われ,1つ,または複数個の機械語命令が生成されます。注 |
divh imm5, reg
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mov imm5, r1
divh r1, reg
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(b) | -16〜+15の範囲を越え,-32768〜+32767の範囲の絶対値式 |
divh imm16, reg
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movea imm16, r0, r1
divh r1, reg
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(c) | immに-32768〜+32767の範囲を越える絶対値式 |
immの値の下位16ビットがすべて0の場合
divh imm, reg
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movhi HIGHW(imm), r0, r1
divh r1, reg
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上記以外の場合
divh imm, reg
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mov imm, r1
divh r1, reg
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(d) | !label,または%labelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式 |
divh !label, reg2
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movea !label, r0, r1
divh r1, reg
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divh %label, reg2
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movea %label, r0, r1
divh r1, reg
|
divh $label, reg2
|
movea $label, r0, r1
divh r1, reg
|
(e) | #label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持たないラベルの$labelを持つ相対値式 |
divh #label, reg
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mov #label, r1
divh r1, reg
|
divh label, reg
|
mov label, r1
divh r1, reg
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divh $label, reg
|
mov $label, r1
divh r1, reg
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注 | 機械語命令のdivh命令は,オペランドにイミーディエトをとりません。 |
- | “divh imm, reg2, reg3”の形式でimmに次のものを指定した場合,アセンブラでは,命令展開が行われ,1つ,または複数個の機械語命令が生成されます。 |
divh 0, reg2, reg3
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divh r0, reg2, reg3
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divh imm5, reg2, reg3
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mov imm5, r1
divh r1, reg2, reg3
|
(c) | -16〜+15の範囲を越え,-32768〜+32767の範囲の絶対値式 |
divh imm16, reg2, reg3
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movea imm16, r0, r1
divh r1, reg2, reg3
|
(d) | -32768〜+32767の範囲を越える絶対値式 |
immの値の下位16ビットがすべて0の場合
divh imm, reg2, reg3
|
movhi HIGHW(imm), r0, r1
divh r1, reg2, reg3
|
上記以外の場合
divh imm, reg2, reg3
|
mov imm, r1
divh r1, reg2, reg3
|
(e) | !label,または%labelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義を持つラベルの$labelを持つ相対値式 |
divh !label, reg2, reg3
|
movea !label, r0, r1
divh r1, reg2, reg3
|
divh %label, reg2, reg3
|
movea %label, r0, r1
divh r1, reg2, reg3
|
divh $label, reg2, reg3
|
movea $label, r0, r1
divh r1, reg2, reg3
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(f) | #label,またはlabelを持つ相対値式,およびsdata/sbss属性セクションに定義に持たないラベルの$labelを持つ相対値式 |
divh #label, reg2, reg3
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mov #label, r1
divh r1, reg2, reg3
|
divh label, reg2, reg3
|
mov label, r1
divh r1, reg2, reg3
|
divh $label, reg2, reg3
|
mov $label, r1
divh r1, reg2, reg3
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[フラグ]
CY
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−
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OV
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Integer-Overflowを生じた場合1,そうでない場合0
|
S
|
結果が負になった場合1,そうでない場合0
|
Z
|
結果が0になった場合1,そうでない場合0
|
SAT
|
−
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[注意事項]
- | “divh reg1, reg2”の第1オペランド(reg1)または第2オペランド(reg2)にr0を指定すると,次のいずれかのメッセージが出力され,アセンブルが中止されます。 |
E0550239 : RH850コア指定時には、ソース・オペランドにr0を指定することはできません。
|
E0550240 : RH850コア指定時には、デスティネーション・オペランドにr0を指定することはできません。
|
- | “divh imm, reg2”の第2オペランド(reg2)にr0を指定すると,次のメッセージが出力され,アセンブルが中止されます。 |
E0550240 : RH850コア指定時には、デスティネーション・オペランドにr0を指定することはできません。
|
- | “divh imm, reg2”の第1オペランド(imm)に0を指定すると,次のメッセージが出力され,アセンブルが中止されます。 |
E0550239 : RH850指定時には、ソース・オペランドにr0を指定することはできません。
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